これは罰なのだろうか。彼女を護ると言っておきながら、彼女とずっと共になどと言っておきながら、僕だけ先に逝ってしまった僕への罰。



『沖田先輩!おはようございます』

「おはよう、名前ちゃん」

『あ、斎藤せんぱーい!!』



僕は幕末の頃の記憶がある。新選組一番組組長だった頃の記憶が。だけど…彼女には無い。彼女は新選組にいた時のこと、あの激動の時代を生き抜いたことを何一つ覚えてはいない。

だからほら、僕を簡単にすり抜けて一君の元へ向かうんだ。



「あぁ、名前。おはよう」

『おはようございます!』



一君と名前ちゃん。仲睦まじく歩く二人はどこからどう見ても恋人同士だ。

ズキズキ痛む僕の心は悲鳴をあげている。どうして一君なの。どうして僕じゃないの。君が選んだのは僕だったはずのに。

やっぱりこれは僕への罰なんだ。君をおいてしまった僕への罰。たとえ僕の隣じゃなくても、君が笑顔でいられるなら、君が幸せであるなら、僕は。



「名前ちゃん、一君に泣かされたら僕の所に来るんだよ?」

「総司!」

『沖田先輩。心配してくださってありがとうございます。でも、斎藤先輩は優しいですよ』

「あーあー。あっついなぁ。君たちといると体感温度が上がってる気がするよ。ってことで僕は先に行かせてもらうね」



大丈夫。ちゃんと今まで通り笑って喋って。

名前ちゃんが幸せなら、僕の心は封印しよう。大好きだよ、名前ちゃん。現代も過去も。ずっとずっと。君だけが好きなんだ。




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