「なぁ、胸が大きいと肩は凝りやすいのか?」
『…どーしたの、棗君。そんなセクハラして』
「いや、名前は凝ってるのかと思ってだな」
そこそこ凝ってるけど、と言えば棗君は突然私の肩を揉みだした。酷く凝っているというわけではないけれど、人にしてもらうマッサージというのは気持ちの良いもので。気持ちいい、なんて言葉が自然と漏れた。
「もう少しやってやるから、うつ伏せになってくれ」
『はぁい』
何かわからないけれど、棗君がやる気な内にその恩恵を受けさせてもらおう。
『あー…そこ、気持ちいい』
「ここか?」
『うん。あ、んっ…』
「………」
急に静かになった棗君が気になって振り向いてみれば、彼は何とも言えないような難しい表情をしていた。
どうしたの、と聞けば、何か変な気持ちになってくるなコレ、なんて。やばいと思ったときは手遅れだった。
『ちょっと、何してるの、棗君』
「んー…、マッサージ代でももらおうと思ってだな」
マッサージは棗君の善意で始めたものだろう。それのお代を求めるってどうなんだ。それに身体で、なんてどこの変態だ。
パチンとブラのホックが外れる音がする。彼の手はあっという間に腰に回って、私を仰向けにひっくり返した。
『………もう、仕方ないなぁ』
「ちゃんと揉んでやるから、な?」
『棗君、おっさんくさい』
え、いいかと思ったんだが駄目だったか…。少しショックを受けている棗君に腹筋を使って私は唇を重ねる。
『ね、やるの?やらないの?』
「今更止めるわけないだろ」
そう言って棗君は噛み付くようなキスをした。
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