「短パンに生足ってさいきょーじゃね?」
何馬鹿なことを言ってるの、と隣に座る椿君にたいして思う。先程絵麻が目の前を横切ったからか。高校生の足なんて綺麗で目の保養になるって言うのも分からなくはない。
『まぁ、絵麻の足は綺麗だからねぇ』
私とは違って。その言葉は流石に吐かなかったけれど。
そもそも高校生の絵麻と20歳を超えた私の足を比べるなんて意味のないことだ。どこをどう取ったって絵麻の勝利。はいはい、私はもういい歳したおばさんですよー。
「いや、名前もいい足してるっしょ!」
ワイドパンツで太さをカバーされた足のどこに魅力があると言うのだ。それとも、いい足というのは単にふくよかだって意味??
『ちょっと、どういう事よ』
「え、俺、名前の足で足コキしてもらいてーって思ってるけど?あ、でも太ももだから素股か…どっちが良い?」
『そもそも私、どっちかならオッケーってしてないんだけど』
右京さんがいなくて良かった。右京さんがいるときじゃなくて本当に良かった!
右京さんがいたら絶対にフライパンが頭の上から振り落とされていただろう。誰もいないのが幸いだ。
「えー、いいじゃん!ちょっとだけー!」
『絶対ちょっとで終わらないでしょ』
「…ね、いいでしょ。気持ちよくなろ?」
『声使うのずるい!』
「自分の武器を使うのは普通じゃね?ほら、行こ」
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