「名前ちゃん、まほちゃん、私、好きな人ができたんだ」
そう、友達の絵麻から告げられたのは高校一年生の夏休み前。彼女の言う好きな人、とは同じクラスの朝日奈侑介君。赤髪でヤンキーっぽい外見の男の子。あぁ、じゃんけんで負けて絵麻は朝日奈君と同じ委員会に入っていた。私と朝日奈君との関わりはないと言っても過言ではない。一応、クラスメイトとして目があったら、おはよう、という程度。その程度の関係。
『へぇ、朝日奈君かぁ。ヤンキーっぽくて怖いって思ってたけど』
完全に外見だけのイメージだ。そもそも短い学ランヤンキーなんていつの時代?って聞いてみたいくらい。
絵麻が言うには外見は怖そうでも中身はとても優しいそう。すぐ照れて顔が真っ赤になっちゃう、とかギャップがあることを言っていた。
「で、ひな、優しくされて惚れちゃったんだ〜」
『もし二人がくっついたら寂しくなっちゃうねー。まほちゃん』
「そうね、私たちは私たちでイチャイチャしてましょ」
『まほちゃん…!!』
「名前…!!」
「私を仲間はずれにしないでー!」
私とまほちゃんが抱き合っていたところに絵麻も入って、三人で抱きつきあってた。………暑い。