☆とある日



「ねぇ、名前。いくらなんでも無防備過ぎるんじゃない?」



梓くんにそう言われて今の格好を確認する。ブラトップキャミソールに薄地のショートパンツ。自分の部屋にいる時くらい楽な姿でいたい。それにもうすぐ夏が来る。気温は年々上昇しているし、我慢してたけどそろそろ扇風機がほしい。



『ちゃんとリビング行く時は上羽織るよ?』

「ダメ。そのパンツも替えて」

『えぇー、暑いじゃん…』

「脚出しすぎ。いくら家族だって言っても男ばかりなんだから」



梓くんお父さんみたいだね、なんて言ったらどんな仕返しが来るか分からないから喉からでかかったそれを飲み込んだ。そして私は足は床に付けたまま上半身をベッドに預ける。梓くんが言ったのはあくまでリビングに行く時、他の兄弟達と会う可能性がある場所の時。今は2人しかいないんだから問題ない。

やっぱり暑いしアイスでも食べようかと冷蔵庫へ向かう。梓くんもいる?って聞いたら食べると言うのでアイスキャンディーを2本持って。



『はい、どーぞ。この前食べちゃってこれしかなかったけど』

「十分だよ、ありがとう」



…多分、私の周りの気温と梓くんの周りの気温は5度くらい違う。暑いって言ってるけど汗ひとつかいてないし、顔は何だか涼し気に見えるし。急にやってきた暑さにやられている私と違って余裕そうだ。

アイスを食べたら少し身体が冷えた。またアイス買っておかないとな…なんて考えていれば後ろから梓くんに抱きしめられて。当然のようにショートパンツの裾から手を侵入させてきた。

ペち、と叩いてみても効果がない。それどころかショーツを簡単にズラして直接私の大事な処へ触れた。



『んっ…、梓くんスるの?』

「アイスで涼しくなったでしょう」

『なにそれっ…』

「ほら、服脱いだら涼しくなるし」



さっきと言ってる事が違う、そう言いかけた音は梓くんの口に塞がれて。私の視界は天井を映し出していた。



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