※この小説は6月の日記絵を題材にしてます。









ある晴れた昼下がりに突然収集され、馬超・馬休・馬鉄・馬岱は首を傾げた。

「どうした趙雲?」
「…どうした…じゃありませんよ……貴方たち大変な目に遭ったのではないのですか?」


「「「「????!!」」」」
趙雲の言葉で皆表情を変える。それを見て趙雲はため息をついた。

「実はこの城の至る所に監視カメラがあるのですよ。……それを記録したディスクを諸葛亮殿に渡されまして…」
何事かと思いそれを見た趙雲はその内容に唖然としてしまった。
その内容とはそれぞれ連れ込まれた今目の前にいる4人が、襲われている映像であった。


「……幸い皆さん無事だったようだったから良かったですけど。」
色々と問題もあるから、今後の為にも皆で検証+対策を考えようと趙雲は皆を呼んだ。

一同それぞれ顔を見合わせる。
誰もが隠していたわけだから、まさか全員そんな目に遭っていたとは知らなかった。

「っ…ちょっと待て、これからそれをみるのか?」
「大丈夫ですよ。皆さん今更裸を見られたってなんともないでしょう。」
趙雲はそう言ってノートパソコンを起動し、マウスをダブルクリックして映像のデータを呼びスクリーンに映し出した。


「…先ずは馬超です」



スクリーンに映ったのはグタッとした馬超と4人程の男だった。

「流石に錦と言われるだけあるな。」
「っ……何が望みだ貴様ら……。言っとくが俺は金目の物などそんなに持ってないぞ…」

馬超がそう言うと映像が止まった。どうやら趙雲が一時停止を押したようだ。

「馬超?」
「なんだ?」
「なんだではありませんよ。どうしたらここで金なのですか?」
「……」
なにも答えない馬超をみて趙雲は小さくため息をついた

再び再生ボタンを押すと、スクリーン内で男たちが馬超の四肢を押さえ自由を奪っていた。
その行動で馬超も何をされているか気づいたらしい。


「錦をイかせれるなんて…俺たちってすごくねぇか?このまま昇進したりしてなぁ」

気色悪い笑い声。それを聞いた馬鉄は思わず顔を歪めた。

しかしそんな男たちの声が聞こえたのは一瞬である。


「いい度胸をしてるな。よし、望みならいくらでも逝かせてやるぞ?」

バキボキと関節を鳴らす音がきこえたと思えば、次の瞬間に聞こえたのは鈍い打撃音と悲鳴だ。



「ふん。…殺されないだけありがたいと思え」

静まり返った部屋の中でそう呟くと、馬超は一番体格のいい男の身包みを剥がす。
そしてそれを着て部屋から出て行ってしまった。



「因みにこの4人は重傷で今も床で眠っています。起きたらもう一度眠って貰うつもりですよ」
趙雲はそう言って次のファイルをクリックし再生の準備をする。


「次は馬岱です」
「趙雲殿、従兄上が寝ている時の写真があるのですがいりません?服がはだけて凄いことになってますよ」
馬岱は自分の名前が呼ばれると、突然立ち上がり一枚の写真をちらつかせる。

「いいえ。遠慮しておきます。こっちを見せたほうが、面白いことになると思いますので。」
「っ、消せよ!人権の侵害だぞ!!ド変態男!!」
趙雲が操作しているパソコンに馬岱は飛びかかった。
しかし趙雲はそれをあっさり避け、再生をクリックする。

普段は冷静な従兄弟の取り乱しように一体何事かと3人は思った…が、



「………岱。お前」
映像を見た馬超は顔をひきつらせながら彼の名を呼ぶ。
当の本人は頭を抱え床に座り込んでいた。


「流石は馬岱殿ですね。逆に彼らを犯すとは。流石のわたしでも真似できませんよ」
「っ…別に自分のを使ったわけじゃないから、その言葉はおかしいだろっ!」

そんな馬岱の叫びを消す程の大音量でスクリーンの中の男達は悲鳴をあげた。勿論あげさせているのは馬岱である。




「ほら、もっと鳴けよ。」
「ひぃっ……勘弁っぁ…」



落ちていた槍の柄を容赦なく男に突き刺す従兄弟をみて馬超と馬鉄は彼から5mほど離れた。


「あの趙雲さん、僕のも……みるんですよね?」
ここにきて馬休が少し気まずそうに趙雲に問う。

「そのつもりですけど」
「………」

馬休は深くため息をつきスクリーンの前に座った。

「休どうしたんだ?」
「ううん……。なんでもない」
明らかに落ち込んでいる兄をみて馬鉄は心配する…が、それと同時にあの状況で力がない馬休はどうやって逃げたのかも気になっていた。





男4人を目の前にして怯える馬休。そんな兄をみて不覚にも“可愛い…”と思ってしまった馬鉄は自身の頭を叩く。



「……あの…こんなことやめた方がいいですよ…」
「ひゃー可愛いな。これであの錦馬の弟か」



馬休の言葉を無視して男は身体へと手を伸ばした。…が、その手は途中で止まる。





「………へぇ…。そんなに僕とヤりたいの?」
「え?」


突然馬休の表情が変わったからだ。馬休は自ら男に近づいて耳元で笑う。



「別にいいけど高いよ?…アンタの給料なら一生かかっても払えない額だけど」



それでも抱く?




獲物を逃がさない鋭い視線。
正にその目は戦場の馬超そのものであった。

スピーカー越しだが、その馬休の声に馬鉄や馬超や馬岱は硬直してしまう。




「っ…だから嫌だったのに…。前に諸葛亮殿が僕ならこうすれば痴漢を撃退できるって教えてくれたんだ……」


(((流石諸葛亮(殿)だな…)))


男たちは馬休の言葉に怯みそのまま部屋から出て行った。
馬超の弟…ということが更にダメージを増やしたのだろう。


「残るは叔戒ですが…」
「…いまいち俺あの時のこと覚えてないんだけどさ……どうしてあいつら逃げたんだ?」
「見ればわかりますよ」

そういい趙雲は最後のファイルを開いた。




「っ…ちょっと待てお前ら!!」


目覚めた馬鉄はすぐに自分の状況を把握し男たちを止める。
前は易々と許してしまったが今度はそうはさせない。

幸い前とは違い体は自由に動く。


が、どうも男たちの力は思った以上に強く、流石に4人相手では分が悪かった。

暫く暴れると男たちは馬鉄は体を押さえその動きを止める。


「…っ…ぁ……お前たちこんなことしてただで済むと思ってるのか!?」
「まぁただじゃ済まないよな。。顔に傷が付くくらいは覚悟してるし」


笑いながら答える男たちに馬鉄は次々と罵声を浴びせた。

そして、馬鉄はとんでもないことを言い放つ。





「俺は子龍専用だからヤるとお前たち後で大変な目にあうぞ!」






馬鉄のその言葉で固まったのはスクリーンの中だけではない。
みている皆唖然とした。


静かになった部屋でただ一人スクリーンの中の馬鉄だけがまだ何かを叫んでいる。




「………え、…俺こんなこと言ったの…か?」

驚いたのは馬鉄も同じだった。


突然男たちが去っていったのは覚えている。
何故かはわからないが気づいたらいなくなっていた。



「そっか…鉄は趙雲さん専用なんだね……。まぁ僕には関係ないけど」
「…鉄、…お前…」

「ちっ…違う!とりあえず子龍の名前出せば相手が逃げるかなって思って…あ、休どこに行くんだよ!!」

軽蔑の眼差しを馬鉄に向け、部屋から去っていった馬休。
それを追って馬鉄も部屋から出て行く。






「…趙雲殿、あの鉄の発言の真相は?」
二人がいなくなると馬岱が趙雲に尋ねた。
「真相も何も私は馬超一筋ですから。」
「でも鉄が嘘をついている風には見えませんでしたが?」
「さて、馬超鍛錬の時間になりましたから行きましょうか。叔戒たちが居なくなって検証も出来なくなってしまったことですし」
趙雲は馬岱の言葉を無視し、馬超の背を押し部屋から出て行こうとする。

それをみて馬岱はふと気づいた。


「……お前まさか」

こんなものを見せた狙いはただ一つ。


「貴方の新たな一面を知って驚きましたよ」

ね、馬超。
…と、趙雲は馬超に問いかける。

流石の馬超も今回のことに関しては馬岱を見る目が変わったようで、趙雲の言葉に賛同した。
そして趙雲と共に部屋を去る。


「あの野郎っ……、おい卑怯だぞ!!」
馬岱も二人を追い部屋から出て行った。







ところ変わって、先に部屋を出た馬休と馬鉄は自室にいた。

「っ…だからアレは誤解だって」
何度も弁解する馬鉄。
いつもだったら休に悪いことをしても謝れば大抵馬鉄を信用し許す馬休だったが今回は少々違った。

「……僕が知らないとでも思ってるの?」
「え…?」

馬休は怒ってはいなかった。
最近時折見せてた寂しそうな顔を馬鉄に向ける。

「毎日朝帰り。それも体中に痕つけてさ。…相手が趙雲さんだって薄々気付いてたけど…」
「っ…!?」
馬休は馬鉄に笑みをみせる。


「鉄は趙雲にどんな甘い声をきかせてるの?」




「…あの…休…?」

表情が180度がらりと変わり、迫ってくる兄の顔がとても恐ろしく馬鉄は後ずさる。しかし壁際まで追い込まれ逃げ場がなくなってしまった。


「“俺”にも聞かせてよ。鉄の喘ぎ声」
ニヤリと笑い馬休は馬鉄の服の中に手をいれる。

「ちょ…待て。キャラ違わないか!?…―――――っぁあああああ」




次の日、夜の指導はもういいと頭を下げにきた馬鉄をみて趙雲は憐れみの言葉をかけた。







馬休は怒ると怖いのです。
大事にしてた馬鉄が奪われたのですからその怒り+悲しみは頂点に。

まぁ腹黒休の場合ですけど。
普通の馬休はそんなことは絶対しないので。

というか一番怖いのは表情すらバッチリとらえるカメラと、耳元で言った言葉すら拾うマイクですね。
きっとステルス仕様なのです(制作者:月英)


ぐだぐだな文ですけど読んでいただきありがとうございましたー


2009/07/11