Discrepancy―――――





ここ最近は子龍の部屋に泊まりっぱなしだ。
と言うのは、今兄貴たちは漢中へ足を運んでいて、この成都にはいないのだ。

「あぁ…俺も会いたかったなぁ。ホウ柔に」
漢中にホウ柔が居ることは知っている。昔よく世話になったものだ。手加減が出来なくなるくらいに俺が強くなったのを見せたかったのに。

「なんで成都に待機なんだよー」
「それは叔戒が私の部隊だからに決まってる。」
「…あーぁ……休が何日もそばに居ないのって初めてだから、なんか落ち着かねー……」
そう言って俺は趙雲のベッドに身を投げる。

モフっと、心地良い布が体を包み込んだ。

「もし、子龍と兄貴がやる場合どっちが上になるんだ??」
ふと思ったことを椅子に座り武器を磨く男に問う。
その質問に子龍は「うーん…」とワザとらしく考えた。

「………なんだよ」
「一概には言えないですね。状況によって…かと」
子龍の答えを聞いて俺は「やっぱりか…」と納得してしまう。

俺から言わせて貰えば、正直兄貴の方が上のような気がした。
「ならさ、子龍も下の方練習した方がいいんじゃないか?」
「…朝から盛ってますね……」
「そっ…そうじゃなくて……。子龍のこと思って言ってんだよ。いきなりやるといてーじゃん?」
てのは建前で、本音を言わせてもらうと、“俺が一度でいいから上をやりたい”からである。
普通に頼んでも子龍の奴やらせてくれねーし…
自分なりに頭を使った言葉の運びである。


「そんなに上がいいのですか?」
「勿ろっ…じゃなくて、子龍のこと思って言ってるんだろ!」
「優しいのですね叔戒は。」
わかりました…と、子龍は武器を置きベッドへと足を運んだ。
ヨッシャーと心の中でガッツポーズをとっていた俺は、目の前で妖しく笑う子龍に気づけなかった。





・・・・・・・・・






「鉄、ホウ柔殿がお前にも会いたいと言ってたぞ?」
「…………あはは…。出来ることなら俺も会いに行きたかったな……」
兄貴達は予定してた日付より早く成都へ帰ってきた。


「どうしたの?鉄…具合悪そうだよ??まさか布団蹴って風邪引いたわけじゃないよね?」
休が俺の顔を覗き込みながら問う。
風邪の方がまだいいかもしれない。
頭痛なら幾分は耐えられる。
しかし……

「実は、槍の指導中に私が怪我をさせてしまったんです。つい手加減出来なくて…。今から部屋で手当てしようかと」
「趙雲殿が手加減できなくなったのか?」
「ええ…馬超殿が見ぬ間に叔戒はどんどん成長してますよ。……今日も相手が下から攻撃をしてきた場合の受け止める方法を教えてほしいと。」
「っバッバカ!何言ってんだよ」
俺は慌てて子龍の口を塞ぐ。

「下からの攻撃……。確かにそれは受け止め辛いからな。趙雲殿気が向いたら是非俺の相手もしてくれ」
そう言われると子龍は「もちろん」と笑顔で答えた。










「……結局さ、子龍が攻める方だってことだよな?」
「当たり前じゃないですか。」
子龍の部屋に行き、手当てという名の後処理をする。
最中に兄貴達が戻ってきたことを知った為、なにもかも中途半端のまま衣を纏ったのだ。
白濁がベタベタして、会話中ずっと気持ち悪さこの上なかった。

「因みにあれは騎乗位と言うのですよ?いかにも馬超殿が好みそうな名前ですよね」
「……………」


上をやらせてくれるのと思いきや子龍はとんでもないことを俺に命じた。


――――さぁ、ここに跨って自分で中に挿れてください

最初はその体勢から俺が子龍へといれるのかと思った。しかし、確実に宛行われている俺の入口と子龍のモノ。

状況の判断が遅れ、焦れた子龍が俺の腰を掴み一気にねじ込んだ瞬間のあの悲鳴(?)は一体どこまで聞こえてたのだろうか?


「………よくもさっき恥ずかしくもなくあんな事を言ったな」
「間違いはないでしょう?」
「………確かに、普通にきこうと思えば…普通だしな」

だけど…

「ああ言ったけど本当に兄貴にさっきのやるのか?」
「いずれ…ね。折角申し出てくれたのですから」



なんだろう
この気持ち


少し複雑…ってか

「どうかしましたか?」
「あぁ…何でもない。ちょっと子龍が羨ましかっただけ」



子龍は兄貴が好きで
俺は休のことが好き


きっと俺の方が休を好きな時間は長いはずなのに
子龍は先へといってしまう


アタックしまくっている子龍と違って、一歩も踏み出せない俺が先に進めないのは当たり前の話だ。


「……ホント情けな…」


そんな俺を見て子龍は優しく笑む。


「…いいじゃないですか。恋愛なんて十人十色ですよ」

人の数だけ愛の形はある…と、体中が痒くなりそうなセリフを子龍は平然という。


「………さて、馬超殿たちの所に行きましょうか」
子龍はそう言って、俺に手を差し出す。





俺はその手を掴み立ち上がった。








Discrepancy―――――



何も間違っていないですよ。
ただ、人それぞれ
捉え方が違うだけなんです。



お風呂に入りながらカタカタ。趙鉄。わたしの自己満的押しカプです笑
桃樺にオリキャラって自己満足だよね?と言われましたが、オリキャラ最高じゃないですか!
近々馬氏の五常も出したい!
現在キャラ設定妄想中です。
馬良と馬謖は大戦じゃだめですか?…あ、ダメですね
でも次男は無理か。魏みたいだし。
一応本編と連動してます。
ページ的には1Pだけと実は普通の短編より長かったりして?

2009/1/28