*名前固定
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「キミこそなぜ特異点側に加担しているのか分からないなァ、ラグ」

八枚羽となったべリアルは、アバターの特性も取り込み圧倒的な力で私たちを押していた。サンダルフォンが天司長の力で応戦するも、べリアルの話術に言いくるめられてしまった。

「なぜってそりゃあ、私の役割を考えたらこっち側じゃない?」
「そりゃそうだ、キミは“誠実”なる天司様だもんなァ?だからこそ考え直せよラグ、オレ達を造ったのはファーさんだぜ?それにキミの信頼していたルシフェルを殺したそもそもの原因はサンディだ、少なからず憎む理由はあるはずだろ?」

ちらりとサンダルフォンの方を見るがまだ茫然自失していた。当然だ、ルシフェルの死因が自分だと思ったら天司は誰だってそうなるだろう。

「なぁラグ、ファーさんが終末を起こしたら何もかもがまっさらになるんだ…。キミをみせしめとして堕天司にさせた最高評議会の奴らも、世界を見守ってきたルシフェルのことを知らない空の民も何もかも、だ。キミの役割にピッタリじゃないか」
「…あぁ、確かにその通りだ」

何もかも消えるんだろう、こうしている間にルシファーは神の塔に登り終末が引き起こされる。そうすれば全てが終わる。全てが消え、残るのは真っ白なキャンバスのみだ。

だけど


『一緒に謝ろう』


彼らは諦めない。誰かが挫けそうなら手を引っ張っていく、そんなお人好しばかりだ。
だけど私はそこに誠実さを見出した。決められた役割から見た誠実ではない、心の底から彼らの誠実に夢をみた。ルシフェルが望んだ進化の果てに彼らがいること、彼らならきっとサンダルフォンを救ってくれると。中庭の天司に何もできなかった私は彼らに夢を見た。

だから


「悪いけどその手はとれないよべリアル。私は私自身の自由意思で、私自身の夢を守る」
「…ザンネンだよラグ、キミとは最期まで良いキョウダイでいたかった」

六枚羽を展開し、べリアルの昏い閃光に耐える。
背後で四大天司の力が吸収されていくのを感じ取る。きっと、彼はもう大丈夫だろう。

「時間稼ぎといこうかべリアル!私を滅ぼしてみせろ!」
「イイねェ、昂ぶってきた!最期まで遊ばせてくれよラグ!」










名前の元ネタはラグエル
ルシフェル、べリアルと同時期に造られた“誠実”を司る天司という設定でした
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