七海と先輩と渋谷事変後


温めてた祈りが届かなかったので供養です



 多くの呪術師が重傷を負って帰ってきた。帰れなかった人もいた。渋谷の事件は多くの衝撃を残し、多くの犠牲を出した。
 七海はいまだ目を覚さない。重傷者の中でも特に酷かった。硝子の反転術式が間に合ったこともあり、命を取り留めることができた。ベッドに横たわる七海を見る。全身包帯だらけだ。
 こんなことになるなら海外任務を蹴ってでも帰ればよかった。私が間に合っていれば、なんて慢心と後悔で唇を噛む。
「…泣いて、いますか」
「、泣くものか」
「…そんな顔されるなら、いっそ、大泣きしてもらえたほうが楽ですけどね」
「うるさい、起きるのが遅い」

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