真木晶と東の大魔女とオズについて


オズ出ません
夢主は東の大魔女


「名前にとって、オズってどういう人ですか?」

 暇つぶしも兼ねて魔法舎に行くと、賢者が本を持って聞いてきた。話を聞くと、どうやら魔法使いたちのことを聞いて回っているらしい。ここにいる間だけでも傷つけないように、なんてとても優しい理由だ。
 それにしてもオズ、オズについてか。

「私にとってのオズは、迷惑な隣人だった、ってところかな」
「め、迷惑な隣人ですか…」
「東にいても、いつオズの魔法の余波がくるか分からなくて面倒くさかったし、北の長生きたちと違って積極的に関わろうとも思わなかったから。遠くて近い隣人だったな。」

 昔のオズはそれはもうすごかった。遠くにいても魔力の鋭さは伝わってくるし、いつ自分のテリトリーを征服されるか不安だった。ただ、ある時からふと和らいだのを感じた。興味本位で双子と共に訪ねてみたら、あのオズが子育て!驚いたけど、どこか納得してしまった。

「…でも、オズがアーサーを拾ってきてからは別だったかな。当時のメンバーの中では唯一の女だったし、村人との交流もあったからよく相談も受けてた。そこから関わりも増えたんだよね」
「確かにフィガロと双子と名前だったら、一択ですね…」
「…うん、あと羨ましかったのかな。長く生きていると、他人の興味とか無くなってくるんだけど、オズはただ一人の存在に愛を教えてもらったんだ。それは魔法使いにとって奇跡のようなものだよ」
「…今の、名前にとっては?」

 改めて聞かれると、なんと答えるべきか悩む。けれど今思い浮かぶオズの姿といえば。

「…隣人改め新米パパ、かな」


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