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永恋を家へ迎え入れた俺は結局渋々と任務を共にする事を承諾する事にした。
月の呼吸という稀な呼吸を間近で見れるのもまたとない機会だ。柱合会議でも度々こいつの名前を聞いたような気もするがそれ以上に、気になる事が1つだけあった。



「冨岡さん、炊事洗濯はお任せください!」



表情の違和感。
嘘を付いているようにも作っているようにも見えないが、何か違和感がある。

永恋の話もそこそこにその違和感の正体を探ったが何も手がかりは掴めなかった。

荷解きをするよう声を掛け私室へ向かう。
荷物も少ないようだ、たいした時間も掛からないだろうが後のことは俺に関係はない。

俺は懐から永恋のこれまでの戦績や過去などが表記された文を取り出した。



永恋月陽 性別/女 年齢/17 月の呼吸 階級/甲
10年前に両親を鬼に殺されたが、詳細は不明。
育は居らず本人からは父と報告を受けている。
産屋敷耀哉から最終選別への推薦を受け、藤襲山にて鬼を五体鬼殺し隊員となった。



「10年前ということは7歳には既に呼吸を覚えていたということか」



それからは不明とあるが、お館様からの直々の推薦となれば何かしらの噂を聞いたのだろうが何故永恋の事を知っていたのか。

あいつには謎が多い。
聞けば答えるのだろうか。

文を燃やし火鉢に放り投げた。任を共にするからと言って深入りするつもりもなければ情けもかけるつもりもない。
家族を鬼に殺された者などこの鬼殺隊には何十人もいる。


鬼狩りからの帰りでもある、少し休むかと横になった。
この屋敷に誰かが居るというのもなかなか無い事だ。多少落ち着きはしないが慣れるだろう。

落ちてくる瞼に逆らわず俺は少し休憩することに決めた。




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