きょ



総太の持つ「無意識を操る力」を知ってから数週間が経った。総太ともっと仲良くなりたくて総太の傍にほとんど居るようにした。総太はオレが傍に居る時は力を使うことは殆ど無くなった。きっと勘付かれてしまうのをわかっているからなんだろう。ここ最近やたらジャンルカが総太に突っかかる。初めはオレみたいに総太の不思議な力を感じていたのかな?なんて思ったんだけれどどうやら違うらしい。女の子には優しいジャンルカだけど、男にはそうはいかない。そういえばここ最近、みんなの誘いを断っていたような。誘いに乗っても必ず総太を連れて行くようにしていたっけ。折角日本から来ているんだから総太にはイタリアの事を知ってもらいたいって思っての行動なんだけども。ふと視線を総太に向ければアンジェロが総太に何か渡している。作ったカメオでもあげているのかな、なんて微笑ましく見詰めていたら頬を思いっきり左右両方引っ張られる。


「いひゃいんだへほ・・・」

「マルコは最近総太にご執心だな」

「サッカーしてる時もやたらと総太の事気にしてるようだし」



フィディオとジャンルカがそれぞれ思っている事を言ってくる。両頬を擦りながら二人を睨めばフイッと顔を背けられる。軽く溜息を吐き出しアンジェロをだっこしている総太を見詰める。そういえばここ最近、総太はアンジェロと仲が良いような気がする。何でも近所の猫に似ているんだとか。総太は猫がすきなのか・・・なんて思っていたら今度はこめかみを思いっきり左右から突かれた。


「女の子よりも興味が惹かれるのか?」

「オレはジャンルカ程女好きじゃないって・・・まぁ確かに総太には興味が湧くような要素が沢山あるな」

「へぇ・・・例えば?」

「例えばってそれ知ってどうするんだよフィディオ?まさかそれを利用して・・・・」

「ナンパをしようとか、オレの引き立て役にしようとか思ってないから安心してよ。なんていうかオレも総太には少し興味があるんだよな・・・なんだか不思議感じがしてさ」



そういってはにかむフィディオに苦笑いで返事をしておいた。なんだか教えたくないというか・・・総太に興味を持つのはオレだけでいいっていうか。そういう思いがグルグルと渦巻いていた。







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