無意識を操る程度の能力



「僕はね、相手の無意識を操って自分を認識させないようにすることが出来るんだ。たとえ僕が目の前に居ようとその人の無意識を操ってしまえば僕を認識することが出来なくなり、僕が目の前に居るとはわからない」

「そんなこと本当に出来るのか?」

「今まで何度もそうしてきたよ。マルコが感じてきた違和感は多分それ。僕がマルコや周りの人たちの無意識を操ろうとした時、あるいは操っている時感じた」

「総太、やってみてくれないか?」

「・・・・・うん、実際やってみた方がわかりやすいし、信憑性があるね」


そういって総太は切なそうに瞳を細める。なんだか悪い事をしてしまったような気分になりながらも総太を見詰める。瞬きを数回すれば総太の姿が目の前から消えた。あの違和感を感じつつ辺りを見回しても総太の姿は見つからない。総太の名前を呼べばパッと姿を現した。総太の言う通りこの違和感は総太が無意識を操っている時、または使う直前に感じていたものだったのか。何だかそれがわかり嬉しくなってくる。わからないものがわかると何とも言いがたい嬉しさが込み上げてきてそのまま目の前に居る総太を思いっきり抱きしめた。離れようともがく総太をぎゅうっと強く抱きしめてそのまま一緒にベッドに倒れこんだ。



「なんだか凄くすっきりしたような気がする」

「・・・・」

「と、思ったけどやっぱりまだすっきりしてないかも」


大人しくされるがままの状態になっている総太の顔を覗き込めば首を傾げられる。違和感についてはわかった。それから総太に不思議な力があることも。別に普通の人間にはありえない力を持っているからといって軽蔑したりなんかしない。ただもう一つ気になる事が出来た。総太がこの能力を使う頻度の高さ。必要以上に干渉してこようとはしない、そして干渉させようとしない。いつからこの力を使えたんだ?それは総太の過去を何か関係があるのだろうか?でもきっとまだ総太の過去に触れてはいけない気がした。オレ達はきっともう少し歩み寄ら無ければいけない。そんな気がした。




(もっともっと総太の事を知りたい・・・・)


(能力を使っていることに気がついていたなんて・・・・・)


無意識を操る程度の能力 END





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