違和



総太が家に来てから3ヶ月が経った。初めはしどろもどろだった総太も3ヶ月も居たら慣れたのか一人で買い物に行ったり日常会話をイタリア語で出来るようになっていた。ただ、この3ヶ月間オレは総太に違和感をずっと感じていた。ついさっきまで隣に居たのに音も無く隣から居なくなっていたり、アンジェロとラファエレと買い物に行った時も傍に居た筈なのに姿が見当たらないって事が何度もあった。母さんにそのことを話したのだけれど、ただ首を傾げるだけだった。1回や2回なら気にはしないけど何回も同じような事が起こってしまえば気になってしまう。


「あれ・・・総太?」


何処かに向かおうとしている総太を見つけた。一緒に居たジャンルカとフィディオは何やら女の子と話しこんでいるので放置していくことにした。なんだかオレの名前を呼ぶ女の子の声が聞こえたような気がしなくも無かったけれど。ここ最近あまり一緒に帰っていなかったような気がする。そう思いながら必死に総太の後を付いていけば総太は図書館の中へと入っていく。見失わないように適度な間合いを取りつつ後を追えば総太の姿が消えた。先程まで総太が居た場所に走りより辺りを見回す。きょろきょろしていればポンッと肩を叩かれた。


「〜〜〜〜っ!!!」

「マルコも図書館に用?」

「び、びっくりした・・・別に図書館に用があるわけじゃないんだ。総太の姿を見つけたから付いて来たというか・・・」



不思議そうにこちらを見てくる総太の肩に触れながらいう。一体どうやって後に回り込んだんだよ。此処は行き止まり。左右に本棚があるがそこも少し進めば行き止まり。どちらかに隠れるって言ったって隠れようなんかない。総太に肩を叩かれた時に感じたあの違和感。気配を感じなかったとかの次元じゃない。一体なんなんだ。









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