ふわりと浮いている眼を手に取りぼんやりと見る。隣には総太の規則正しい寝息が聞こえる。あの後、部屋に戻り、メールをチェックして寝ようと思ったのだけれども、総太の傍に居たくてどうしようもなくなった結果、総太の部屋にやってきた。オレの思っていることを感じ取った総太はただやんわりと笑みを零しながら隣に来るように言ってくれたので隣に寝転んだ。その結果、今の状態だ。寝ている時は心を読むことは無いらしいが、この瞳が閉じることは無い。視力は無いと聞いた。



(心を読む為だけに存在してるってことか・・・)



そっと宙に眼を放し、眠っている総太に視線を向ける。布団を掛け直して髪を撫でる。フィディオ達に最近総太にしてしまう行動の事を相談した。初めは弟になる奴と思っていた。それから理想の母親みたいに思った。だけどそれは違っていた。しっくりとこなかったからだ。と、なれば一体なんなのかわからなくなった。メールの返信を見ればみんな同じ回答。



” それ、恋だよ ”



(恋・・・よくわからないな・・・したことないし)



映画やドラマで何度も見た事のある恋愛模様。楽しそうで、切なそうで、嬉しそうで、苦しそうで・・・些細なことに一喜一憂して。相手の事でいっぱいになっていく。オレもこんな風に総太を思っているのだろうか?いいや・・・違う。もっと貪欲なものだ。そんなに綺麗なものじゃない・・・。恋って言われて気が付いたんだ。



” オレだけを愛してもらいたいんだ ”



総太の頬に指を滑らせゆっくりと輪郭をなぞる。親指で唇をなぞり、そのままそっと口付けた。もっとしたくて・・・だけど、これ以上したら起こしてしまうかもしれない。額に口付けて、強く抱きしめながら眼を閉じた。視線を感じながら----------




(どうしたら愛してもらえるのかな・・・・?)














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