朝、総太が用意してくれた朝食を食べ学校へと向かった。土曜日と言う事もあって、学校に居るのは部活で着ているやつらだけだった。淡々と歩む総太の後を歩きながら、こっちを見て黄色い声を上げている女の子達に手を振り返す。より一層黄色い声が上がってしまい苦笑いしながら総太の方を見れば品のある女の子と話をしていた。


「総太君!今、迎えに行こうと思っていたのよ?気分が悪かったりしない?」

「なっちゃん、大丈夫だよ」

「そう・・・」

「優しいね、いつも心配してくれてありがとう」


総太の髪を撫でオレに気がついた”なっちゃん”と呼ばれた女の子はオレと総太の間に入り、総太を背中に隠すようにしてオレを見てくる。


「貴方がジャンルカ・ザナルディね?私は雷門夏未、よろしくね」

「あぁ、よろしく」


見るからにオレは彼女に良く思われていないようだ。苦笑いしながら、彼女の後ろに居る総太を見れば総太は”なっちゃん”と呼び校内へと歩いていく。それにつられてオレ達は理事長室へと向かった。理事長もまた、彼女と同じように総太の事を酷く心配しているようだった。やんわりと微笑みながら返事をする総太をぼんやりと見ながら差し出された書類や教科書を受け取った。総太には制服などが入っている紙袋を渡していた。「また月曜日に」という総太に二人は声を揃えて送っていく!と言っていたが総太はただ笑みを浮かべてその思いだけで十分と返し理事長室を後にする。慌てて追いかけようとすれば彼女に痛いくらいに腕を掴まれた。


「総太君の事・・・傷つけたら赦さないわよ?」

「?・・・わかった」



女の子の敵意丸出しの顔を見たのは初めてだ。あの子にとって総太はそんなに大切な存在なんだろうか?恋愛とかの大切じゃない・・・何処か家族のような・・・なんとなくそんな気がした。気にあることは沢山あるけれど、少しずつ解決していこうと思い足早にその場を後にした------------









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