シャワーを浴び、お風呂場のドアを開ければタオルや着替えの用意をしてくれているらしい総太とばったり鉢合わせしてしまった。男同士だし何の問題もないのだけれど。そう思いながら総太を見ていたら、ばさっと肩にバスタオルを掛けられた。 「風邪引くよ?・・・着替えたら呼んでね。部屋に案内するから・・・」 それだけいいその場から居なくなろうとする総太の手を慌てて掴めば、肩をビクつかせとても驚いたようにオレを見ている総太と目が合う。 「あ、悪い・・・」 「・・・何か?」 「いや・・・なんでもない」 不思議そうにオレを見ながら総太は脱衣所を後にする。さっさと着替え脱衣所を後にし、総太の名前を呼べばリビングから顔を覗かせゆっくりと歩み寄ってきた。 「・・・部屋は僕の部屋の隣。こっち・・・」 すたすたと歩く総太の後をついて歩き2階へ。幾つかあるドアを見ていたら丁度、真ん中に位置しているドアを開け中に入っていく。同じように入れば総太は「此処が君の部屋だよ」と言い何処かに行ってしまった。キャリーケースを部屋の隅に置いて部屋の中を見て回る。ベッドと机とクローゼット。机の上にはパソコンがおいてあった。 「そのパソコンは君のだから好きに使っていいんだよ。父さんがイタリアのお友達と連絡が取れるようにって用意していった物だから」 「え、あ・・・そうか」 いつの間にか戻ってきていた総太にベッドへ行くように言われベッドに向かえば、そこに座るように言われ、大人しく座る。そうすれば手に持っていたタオルとドライヤーでオレの髪を乾かし始めた。総太は世話好きなんだろうか?と、思いながらされるがままの状態でいた。 「明日は学校に教科書とか取りに行った後に色々と買い物に行かないといけないから、今日はもうおやすみなさい」 「あ、あぁ・・・おやすみ」 それだけいい総太は部屋を後にしていった。 仲良くなれるか少し不安に思いながらもオレは眠りに就いた--------------- 異国へ END |