日本に着いた頃には外はすっかり暗くなっていた。夜か・・・と思いながら空港内を歩き回る。こんな遅い時間に迎えに来てくれているかどうかちょっと不安に思いながら義弟を探す。と、言っても名前しか知らないから探しようが無いのだけれども。どうしようか悩んでいたら前の方から一人の男の子が歩いてきた。そいつはオレの前でピタリと止まり無表情のままオレの名前を呼んだ。


「ジャンルカ・ザナルディ・・・?」

「あぁ。お前が総太か?」

「はじめまして、貴方の義弟になります十六夜総太です」


無表情のまま名前をいい、総太は歩き出す。大人しく後を付いていけばタクシー乗り場へと着き、淡々とことが進んでいく。気が着けば家の前に居た。ただオレ達は会話を交わす事など無くタクシーに乗り、気が着けば家の前に居た。大きな一軒家。オレ達だけが住むにはどう考えても広いだろうその家に総太は入っていく。急いで後を追っていけばピタリと立ち止まりじっとオレの足元を見ていることに気が着いた。あぁ、そういえばと思い出しオレは慌てて靴を脱ぎ総太の後を追った。



「お腹は空いてる?」

「え、あぁ・・・」

「座ってて。今、食事を持ってくから」



言われたように椅子に座り辺りを見回す。母さんが暫く日本に居たはずだから、此処で一緒に暮らしていたってことになるのか。そう思いながら辺りを見回していたら、目の前に食事を並べられた。



「和食だから口に合わないかもしれないと思うけど、どうぞ」

「ありがとう」

「・・・お義母さんはこの家には一度しか来てないよ。お父さんと一緒にずっとイタリアにいたから」



それだけいい、総太は何処かへ行ってしまった。スプーンを手にご飯を口に運びながらふと、違和感を感じた。どうしてだ?オレは何も言っていないのに・・・言っていないのにまるで質問に答えるかのような口ぶりで母さんと義父さんの事を?



溜息を吐きながら顔に出ていたのかもしれない、と無理矢理理由をこじつけた------------









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テーマ「人外ファンタジー」
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