今度の父さんは日本人。何でも子供が一人居るらしい。毎月生活費等の仕送りをするから日本で暮らすようにと言われた。年はオレと同じなんだとか。誕生日がオレの方が早いのでオレが義兄で日本に居る奴が義弟。明日の一番早い便で日本に行くように言われ、荷物はどうするのか聞こうとすればすでに纏めてあった。部屋にある荷物は、後々日本へ送るといわれ明日は必要最小限のものが入っている大きいキャリーケースを持っていくようにと言われた。中を明けて確認すれば着替え等の本当に必要最小限のモノしか入っていなく溜息を吐きそうになった。それをぐっと堪えてケースを閉じていれば新しいお父さんが息子に明日迎えに行くように伝えてあるといい、いるものとかはそいつと一緒に買いにいってくれ、と申し訳なさそうに言われた。愛想笑いでその場を後にして自室へ戻り息を吐き出した。





「総太の事を頼む」

「?・・・はい、それじゃあ」

「あぁ。何かあったら直ぐに連絡をしてくれ」




数回頷いてオレは飛行機に乗り込んだ。フィディオ達はきっと驚いているだろうな・・・急に転校、しかも日本に行く事になっているなんてな。驚いているフィディオ達の表情を思い浮かべて苦笑いした。


昨日、寝る前に訪れた父さんの事を思い出す。何処か寂しそうにしながら義弟の事を話してくれた。小さい頃はとても明るく元気な子だったとか。だけど、段々、その面影は消えていき心を閉ざしてしまったように感じるといっていた。一緒にイタリアに住もうと提案したがどうしても、日本に残りたいと言ってきた。オレの母さんに日本にオレと一緒に移り住まないか?と提案したらあろう事か、自分達はイタリアに住みオレを日本に行かせればいいと提案されたらしい。何度もその事で話し合おうとしたらしいが、母さんは聞く耳なんか持たず、さっさとオレの荷物を纏めてしまったとか。まぁ、そんなことだろうとは思ったけれど。


「ジャンルカ・・・本当にすまない」

「いえ・・・気にしないでください」


なんだか記憶に残る父さんを思い出させる人だ。そう思いながら義弟の話を聞いていた----------











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