閉じた



何の変哲も無い土曜日の夜。
変わっている事と言えば父さんと母さんが外泊に行っている事ぐらいだ。でもこれも毎月ある事なのでオレ達からすればそれは当たり前となってしまっていた。たまにはオレ達も外食をしないか?と総太に提案したが総太は首を横にふった。まぁわかっていたんだけれども。予想通りの回答に笑みを零しながらオレは夕食を作った。それを二人、仲良く食べ終えそれぞれお風呂に入る。一緒に入ったりもするけれど、ここ最近総太の事を意識しすぎて大変な事になってしまいそうな気がするので一緒にはもう何日も入っていない。そして、今はお菓子を食べながらベッドに座り雑談をしていた。


「ねぇ、これちょっと嘗めてみてもいい?」

「えぇ!?嘗めるってこれ嘗めても美味しくないよ!?」

「なんていうか・・・宙に浮いてるキャンディーに見えるんだよな、それ」

「キャンディーって・・・こんな拳ぐらいの大きさのキャンディー見たこと無いよ」

「いいだろう?」



しぶしぶ差し出してくる第三の眼を受け取り一嘗めする。味しないな、って総太に言えば当たり前だよ、と返された。ふわふわと宙に浮いている第三の眼を突きながら総太をじっと見詰めていれば、ほんのり頬を赤く染めフイッと視線を反らされてしまった。


「ま、マルコ・・・そんなにじっと見られると恥ずかしい・・・」

「もしかして照れてるのか?総太は可愛いな」

「〜〜〜っ!?」



ぼんっと顔が一気に赤くなる総太に悶えそうになるのを必死に堪えながら笑みを浮かべる。恥ずかしさを紛らわせようとしているのかポッキーを忙しなく食べ続けている総太に手を伸ばし頬をやさしく包み込んだ。



「んむぅっ」

「なに、可愛い鳴き声あげてるんだよ」

「可愛いって僕は女じゃない」

「さっきはあんなに嬉しそうだったのに?」

「〜〜っ」





ぐっと顔を近づけて頬についているチョコを嘗め取れば、ぎゅうっと服を握られた。







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