ちらりと総太に視線を送れば総太は真剣に授業を聞いているらしくオレに視線には気が付いていない。そっと息を吐き出して前を見れば左隣からぽとっと紙が飛んできた。左隣を見ればアンジェロがオレを見ていて、紙を開くように言われた。言われた通り先生の目を忍んで紙を開けそっと息を吐き出した。 ”総太が気になるの?” ”気になるって?” ”さっきからずっと総太の事見てるだろう?” ”見てない” ”あ、フィディオが総太の手を握ってる” 「んなぁっ!?」 ガタッと立ち上がり総太に視線を送れば、視線が一気にオレに集中する。そして、思い出す。総太の隣はフィディオじゃないことに。どうした?と聞いてくる先生に何でもないといい謝りながら座りなおしてアンジェロを見る。アンジェロは何処か楽しげにオレを見ていてじとーっと視線を送っておいた。そうすればまたアンジェロから紙が飛んでくる。 ”マルコってわかりやすい” ”さっきからなんだよ” ”マルコは総太が大好きなんだなって思っただけ” ちらりと総太の方を向けば眠そうにしていて、そんな姿に可愛いなと思いながら笑みを零す。日に日に増していく好きと言う気持ちをどうやって伝えようか、と最近考え始めていた。受け入れてもらえるかどうか、少し不安だった。不安だけれども溢れ出しそうなこの気持ちをどうしても総太に聞いてもらいたくて仕方が無いんだ-------------- |