カフェに着き適当に席に座り外を眺めていたら目の前に女の人が座った。なんだろうと思いながらその人を見たらその人は日本人だった。 「貴方がマルコ君ね?」 「そうですけど・・・」 「私は吉良瞳子。貴方のお母さんの知り合い・・・そして総太の義姉のような者よ」 「総太のお義姉さん」 総太と関係のある人ならやっぱり此処に総太を連れてくるべきだったんじゃないだろうか?そう思っていたらウェイトレスさんが注文を聞きに来てしまった。瞳子さんはカプチーノを頼んでいたので同じものを頼んだ。カプチーノが来るまでお互い口を開く事も無くただ窓の外を眺めていた。 「総太は・・・元気にしてるかしら?」 「元気ですよ。初めは慣れない事が多くて戸惑っていたようですけど、今はそんなことも無いみたいで・・・・」 瞳子さんは少し安心したような笑みを浮かべた。でも本当は違うことを聞きたいのかもしれない。何処か言いにくそうにしているように感じる。 「聞いてもいいですか・・・・」 「えぇ、何かしら?」 「無意識を操る力と第三の眼の事です」 「・・・見たのね。あの瞳を・・・」 切なそうに瞳を細めオレから視線を反らす。総太の過去を知っている人。どうしても知りたい・・・総太のあの力の事を・・・ 「総太に教えてもらわなかったの?知っていると言う事は話を聞いていると思うのだけれど・・・」 「力の事と瞳の説明は聞きました。どうして瞳を閉ざしたのかも簡単には・・・ただ、総太はあの力を頻繁に使う。ここ1、2ヶ月は前よりも減りましたけど、それでも・・・・」 「あの子は周りの人間に気味悪がられ、そして嫌われていたわ。あの瞳と心を読めてしまう力のせいで。数人、総太を受け入れてくれていた子も居たけれど、殆どの子は総太を受け入れることなんてしなかった。総太の両親の事は聞いたかしら?」 「いえ・・・ただ自分はおひさま園と言う所で暮らしているってことだけ・・・」 「総太のご両親も周りと同じ理由であの子を捨てたのよ」 あぁ・・・やっぱり、なんて思う自分が居た--------- |