どくんどくんっと心地良い音が聞こえる。もっと聞いていたくて音のする方へ身を捩れば温かい何かに包まれた。日本に居た時、玲名がいつも一緒に寝てくれてその時に必ず抱きしめてくれる。それに似た温かさ。だけど、何処か違う温かさ。確かめたいけどもう少しこうしていたい。もう少しだけ・・・・


「マルコ・・・・」


そっと小さく呟いた----------





目が覚め近くに置いておいた携帯の時計を見れば夜中の1時。こんな時間まで寝てしまっていたのか。帰ってきた時、母さんの姿が見当たらなかったからもしかしたらまた父さんと泊まりで何処かに出掛けたのかもしれない。何件かきているメールを見ていけば母さんと父さんからそれぞれ来ていて、どうやらオレの考えは当たっていたらしい。携帯を枕元に置き、軽く何か食べようか考えていたら総太が身動ぎ、そしてゆっくりと顔をあげた。窓の外から差し込む僅かな灯りでしか確認できないが、どうやら目が覚めたらしい。起き上がろうとしている総太を支えながらベッドに座らせれば総太に両目を覆われた。


「マルコっ・・・見た?」

「見たって・・・な、何を?」

「・・・・っ、第三の眼・・・」


第三の眼?ベッドの脇にあるスタンドに手を伸ばし灯りをつける。浹の手を目から外して前を見ればぎゅうっと青紫色の球体を両手で握っている総太。その顔がとても悲しそうで総太の両手を包み込むように握った。


「これ第三の眼っていうんだな・・・」

「うん・・・・」

「この眼の事・・・教えてもらってもいいか?」


総太は躊躇いがちに頷いた-------------








- 16 -

「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -