第3



ベッドに寝かせた総太の服に手を掛ける。悪いとは思ったけれど寝苦しそうに思えたから。パジャマの変わりになるモノを探したけれど見つからなかった。オレは裸で寝てるからな・・・どうしようか困った。総太の服を探してみたがなんだかいいのが見つからなかったからまぁ裸でもいいか、と身に着けているものを全て脱がし総太が気に入っているタオルケットをお腹までかけてあげた。


「これは一体・・・」


背中に感じていた違和感。
青紫色の丸い球体から伸びる2本の管はそれぞれ足首についているハートの飾りのようなものに繋がっていた。手に取り眺めてみるが一体なんなのかさっぱりわからない。何度か一緒にお風呂に入ったり、着替える所を何度も見ているけどこんなもの一度も見たことが無かった。認識できないようにしていたのかもしれない。手にしている球体をそっと置いて総太の頬を撫でれば名前を呼ばれた。


「総太?」

「マル・・・コ・・・しょに・・・・てよ・・・」

「え?総太、もう一回・・・・」


ぽろぽろと涙を零し始めた総太。
起きてはいないみたいだ。嫌な夢でも見ているのかな。気が付けば総太の隣に横になり抱きしめていた。胸に総太の頭を押し付けるようにしてお腹や背中を優しく撫でれば穏やかな寝息が聞こえてきてそっと笑みを零した。眠る総太の髪にそっと口付けた所で我に返る。一体何をしているんだ・・・オレは。相手は自分と同じ男だって言うのに。総太に興味を持ち始めた時から少しずつ何かが変化してきていた。女の子に興味が無くなった。総太の傍に居るのが当たり前で、総太が傍に居るのが当たり前で。気が付けば総太の事を考えるようになっていて、誰かと総太が楽しそうにしている時やジャンルカと総太のあの光景を見た時、胸がざわついた。ざわつき苛立ちに似たものを感じた。総太はオレのだって言いたくて、取り返したくて仕方がなかった。オレは総太に執着しているのか?こうして腕の中に総太が居るのがわかれば凄く安心して、それと同時に鼓動は早くなっていて・・・。この感覚は・・・・


「恋・・・」


そっと呟いたのと同時に一気に顔に熱が集中する。自覚してしまえば後はすきという気持ちが溢れ出てくるばかりでどうしたらいいのか分からなくなる。とにかく今は総太が起きるのを待つことにした。青紫色の球体に手を伸ばしそれにそっと口付け瞳を閉じた。








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