それぞれ向かい合うように座る。ちなみにオレの隣は総太。総太の隣はジャンルカ。ジャンルカもフィディオもそれぞれお相手の女の子と楽しそうに話しながらメニューを見ている。オレは総太と楽しく女の子を交えながらメニューを見ている。そういえば総太とこういう所に来たのかなり久しぶりなような気がする。大抵出掛ける時はお弁当を持って行き、日のあたりの良い場所で食べているからな。嬉しそうにパスタのページを見ている総太を眺める。パスタならオレが作ってあげるから此処では食べないで欲しいな。そんな視線を贈りながら。なんだか今にもパスタを選んでしまいそうなのでデザートを見るように仕向けた。


「イタリアと言えばやっぱりティラミス?」

「何処で調べたの、そんなこと」

「違うの?」

「違わないけど他にもあるんだ。パンナ コッタ、ズッパ・イングレーゼ、ビスコッティ、ジェラート、アッフォガートとかね、あ、でもコーヒーが苦手な総太にはアッフォガートはあまりお勧めできないかもしれないな。あれはバニラアイスにエスプレッソをかけてるから」



興味津々に聞いてくる総太に思わず笑みが零れてしまう。鋭い視線を感じてそっちを見ればジャンルカがこちらに冷たい視線を送ってきている。これは間違いなくちゃんと女の子の相手をしろとでも思っているんだろうな・・・。もう一つはその女の子から。視線はオレじゃなくて総太。だって仕方ないだろう?



「興味ないんだから」



驚いたように目を見開くフィディオ達と総太。総太の太股にすっと指で「総太の事じゃない」となぞれば総太は小さく頷いた。前のオレならそれなりに女の子に興味があったから女の子に満足してもらえるような振る舞いをしたかもしれないけれど、今は正直、総太にしか興味ない。どうにかしろって言われたって無理なものは無理。オレの好奇心も興味も全部総太にしか反応しないようになってしまっているんだから。



「それじゃあオレ達は帰るよ、もうそろそろ帰らないと怒られるしな。・・・それから君、悪いんだけど今は恋愛とかに興味無いんだ。ごめんね」



結局あのカフェに何しに行ったんだろう?、なんて思いながら総太の手を引いて家路を歩いた---------





興味 END





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