久遠はどこでも舐めたがる。舐める、なんてことは余程好きなひとじゃないとできないことだろうから嬉しいには嬉しいんだけど、あまりにもしつこい。舌先で愛を伝えてこなくてもいいのに久遠はこれが一番好きみたいだ。

「んっ…ふ、あ」
「腰すごい動いてるぞ」
「あ、や…っ」

わたしを一方的に追い詰めて、久遠は涼しい顔をしている。わたしの足の指をさっきから念入りにしゃぶっているのだ。脳の芯が蕩けるような直接的な快感ではないけどじわりじわりと広がる熱に毎度困ってしまう。久遠に舐められたらどこでも性感帯になってしまう。

「っ、や、くお、」
「まーだ」

はしたなく腰を揺らしても刺激は得られない。足首を掴まれたまま熱が逃がせないのがもどかしい。舌が中指と薬指の間に割って入り、愛おしそうに上下に擦られる。ぬめぬめとしたそれに唾液を塗りつけられるとたまらなく声が漏れた。久遠は意地悪だ。

「あ、あ、ん…」
「こんなに濡らして…もう限界か?」

腰を振る度に、ぱた、ぱた、とシーツを濡らしていくと久遠は嬉しそうに目を細める。やっと足首が解放され、その手がわたしの内腿を撫でた。早く、早く舐めて。腰が浮く。

「ん、くおん、っ」
「えろい顔…その顔見たら舐めるのやめたくなるな」
「え、?」
「もっと焦らして困った顔したお前を見たい。俺のこと欲しくて仕方ないって顔、すごい可愛いんだよ」
「っ、いじわる」

はは、冗談だよ、なんて笑う久遠だけどきっと本音なんだろうな。そんなことしなくてもわたしは久遠のことが好きでどうしようもなく久遠が欲しいのに、久遠は欲張りだから、わたしに求められないとどんどん意地悪になってくる。わたしを追い詰めて、久遠のことしか考えられなくしたいんだろうなっていうのに気づいてからは久遠の意地悪もちょっと可愛く思えた。久遠がわたしの脚をそっと開かせる。

「もう真っ赤だな、ここ」
「ん…や…」
「まだ触ってもないのにこんなに腫らして、可愛いな」
「く、久遠…っはや、く」

恥ずかしい言葉を言われてますます腫れてくる。早くそこを舌で触ってほしくて腰を揺らすと久遠はわたしの入り口へ唇をくっつけた。

「へ、あ…っ」

ぢゅるるる…っ、ぢゅ、うう。下品な水音が響いて腰がガクンと跳ね上がった。汁を啜る久遠は睫毛を伏せて綺麗な顔をわたしので濡らしていく。予想外の刺激へ驚いているうちに膣へ舌が入り込んできた。

「あ、あん…っや、め」

舌を突き出して中を掻き回される。ぴちゃぴちゃと湿った音が中で籠った。強すぎる刺激にいやいや首を振るけど久遠はなおも激しく舌を動かした。入り口をべろべろ舐めて、中に唾液を塗り込まれて、太股が引き吊ってくる。

「や、あぁあ、あ、」
「っ…ん、は…」

久遠は少し苦しそうに、でも一生懸命舌を動かしていて、顎がびちゃびちゃに濡れていた。久遠の唾液なのか、わたしの蜜なのか、どちらのものか考えたくない。ひくんひくんと収縮する膣を舌で虐め、久遠は満足そうに口を離した。

「っふ、あ」
「すごい声…中そんなに良かったか?」
「ば、か…っ」
「悪い悪い、でも言っただろ?可愛いから焦らしたくなるんだよ」

久遠は満足げに口端を上げた。優しい微笑みも、ベッドの上では妙に厭らしく見える。久遠がもう一度顔を近づけ、今度こそ赤く腫れ上がったそこへ舌を伸ばした。

「は、ぁう…っ」

待ちわびた快感に思わず腰が逃げる。ほんとは押し付けてしまいたいくらい刺激が欲しいのに、対して体は快感を逃がそうと必死だった。久遠は舌を尖らせて小刻みに、垂れてくる唾液を広げるように舐める。びくん、と腰が揺れる度に久遠の大きな手がわたしの腰を掴んで手前に押さえ付けてしまうから無抵抗に近い。

「あっ、あ、んあっ…やっ」
「嫌なわけないだろ?お前はここが好きなんだから」
「はゃ…っす、すき…っそこすきぃっ」
「ほんと弱いな…ここ舐められるとすぐに素直になって可愛いよ」

久遠がわたしの目を見つめながら舌を動かす。思わず目を逸らしたくなるけど煽るような視線にまで感じてしまうから重症だ。脳みそが溶けちゃいそうなくらい体が熱い。

「あ、ん、まっ、てくおん、あっ」
「目ぇ逸らすなよ」
「は、やあ…っあっ、あ〜〜…っ」

舌で叩かれるように強い刺激を与えられて頭が真っ白になる。気持ちよすぎて腰が痺れ、視界で久遠が揺れ始めた。快感が強すぎて泣くと久遠にからかわれるけど、これは久遠がわたしを愛しすぎてる証拠だ。

「あっ、あん!くお、や、いく、いく…っん!」
「ん…っちゅ、は、…っ」
「あぁっあ、あ…っあっあ…っ!」

びくんびくん。腰が2回程跳ねて、中から蜜がどぷっと溢れる。脈打つ頂に久遠が舌を押し付け、最後まで快感を与えてくれた。体から力が抜け、濡れたシーツを腰を落とす。溢れた蜜を久遠が嬉しそうに啜った。ちょっと変態っぽくて可笑しい。

「ふ、ぁ…っ、くおん…」
「気持ち良かったか?」

久遠が濡れた唇で弧を描いてわたしの頭を撫でた。優しい手つき。久遠はいつもわたしを優しく包んでくれる。

「ん、きもちかった……ね、久遠」

もう入れてほしい、なんてねだるように上目に見つめると、久遠はわたしにキスを落とす。小さく濡れた音が立って、久遠はもう一度わたしを優しく撫でた。

「もっと舐めてほしいって?奇遇だな、俺もまだまだ足りなかったんだよ」
「え、ち、ちが、」
「はーい聞こえません。もう休憩終わるぞー」

休憩させてもらえた覚えはないが久遠はまたわたしの脚の間へ顔を埋める。舌先から伝わる熱にぴくっと腰が揺れた。

「や、くおん、ちがっ、や…っ」
「違わない。ここはもっと俺に舐めてほしいって言ってる」
「そんなこと、あ、あんっ」
「ほら敏感じゃないか?」

ちろちろ口から覗く舌がわたしを嬲って、まだ当分入れてもらえないと察する。もう十分すぎるほど舐められたのに、久遠はいつも舌が疲れるまでこれを続けるからしつこい。

「あ、んっ、やっやぁあ…っくお、あん!」
「んく…っぢゅ、ん…っ」

それから何十分も部屋から水音が途切れることはなかった。


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久遠は舐め犬のイメージが強いです(偏見)。拍手よりリクエストで久遠えろでした。
20160818
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