「さっちゃんって何でそんなに遅漏なの?」
「お前が早漏なだけだろ」
「そ、そんなことないよ平均的だよ!大体長時間突かれる私の身にもなってよ!体力もたないんだから!」
「じゃあお前んナカが気持ち良くねーんだろうな」
「…へぇ…」




(( 彼氏が遅漏な理由 ))




(今日こそはずぇーったい早くイかせてやる…!)

ネットで知識をつけた彼女はギリリと奥歯を鳴らしながらいそいそと服を脱いだ。今からベビードールに着替えるためである。先月からずっとダイエットをし、愛の力で−5キロに成功した。前に比べるといくらかスリムになった身体を透けたそれに包み、全身の肉が落ちたと同時に一緒に小さくなった胸をじっとり見つめた。

「ま、まぁ…今回は仕方ないか…」

バストアップ体操を始めようと思ったが今はどうでもいい。問題は他にある。ネットで得た知識を必死に思い出しながら彼女は鏡の前に立った。

「よし、可愛い、大丈夫」

レースがふんだんに使われて、全体的に透け透けだ。ガーターベルトとレースのニーハイソックスが気に入って買ったものだが、些か下着の面積が少ない。恥ずかしいと言っていられないのは分かっているが、それでもだ。

(Tバックじゃないだけ善しとしよう…)

彼女は1つため息。それから塗ると熱くなっていくタイプのローションを手に取って彼のところへ行こうとしていると。

ガチャッ

「………」
「………」

軽い音と同時に彼が部屋に入ってきた。まさかあちらから出向いてくるとは思わなかった彼女は思わず固まる。彼の手には楽譜が握られていたので、きっと何かを聞きにきたのだろう。彼もまた固まっていた。

「…」
「あの」
「…」
「…」

先に沈黙を破ったのは彼女だったが言葉が続かない。再び訪れた沈黙に気まずくなって視線を床に落とすと、それと同時に彼の手から楽譜が落ちた。

「お前、ついにイカれたか」

ハッと鼻で笑うような言い方をされ、彼女は赤面した。誰のためにこんな格好、と言いたかったがやめた。代わりに腕でそっと身体を隠す。

「さっちゃんとえっちしたかったんだもん」
「…お前、」

ぶわっと赤面すれば彼は煽られて彼女に近づいた。顎を少々乱暴に持ち上げられ、長身な彼を見上げる。

「その格好、那月の趣味か?」
「ううん、私が考えたの。さっちゃん、好きじゃない?似合わないかな?」
「別にどっちでもいい」

つんと冷たい態度を貫きながら、彼は唇にキスを落とした。噛み付くように唇を覆ってしまうキス。何度も繰り返された後、熱い舌で唇をなぞられる。

「、ん…っ」

薄く唇を開けると彼の舌がにゅるりと侵入してきた。引っ込んでいた舌を引きずり出され、ちゅぱちゅぱ音を立てて吸われる。何だか身体の力も吸われるようになくなっていき、膝ががくがく震えた。

「むぅ…んっ、んん…」

いつもより長く激しい。彼が興奮しているのは簡単に分かった。彼女は彼の服を掴み、くいくいと引っ張った。するとやっと唇が解放される。

「ぷ、はぁ…っ」
「ハッ、キスだけでえろい顔だな」

彼は唇の周りについた唾液を舐めとるように舌なめずりをした。何とも艶めかしい光景に彼女はうっとりと視線を投げる。

「さっちゃぁん…」
「ベッド行くぞ」

待てないというように彼女がリボンを解くが、彼はそんな彼女に構わずベッドまで担いでいくと上に突き飛ばした。彼女の足の間に自分の体を割り込ませると、彼は乱暴に下着を引っ張った。

「えろい格好だな」
「う、あんっ」

繊維が荒いため、引っ張られただけで胸に擦れて声が出てしまう。彼女はまた赤面し、彼を見上げた。

「そこ…、は、優しくしてぇ…」
「邪魔」

彼の目はギラギラしていた。下着を剥ぐように脱がせようとするが丈夫にできていないそれはビリッと破れてしまう。せっかく買ったのに、と彼女は思ったが、その半面興奮していた。

「もう勃ってるぜ」
「あっあぅ…ん…」

邪魔なものがなくなり、胸の頂きを爪で引っかいた。容赦なくガリッと爪を引っ掛けるので彼女はびくっと身体を捩る。

「さっちゃ、あ、はぁ、もっと、優しく、」
「優しく?」

彼女の言葉を聞き返しながら、彼は頂きを指の腹で嬲るように優しく転がした。円を描くように優しく触れられるが、痛いくらいの快感に慣れている彼女には物足りない。ひくんと腰が揺れる。

「はぁん…っさっちゃん、」
「優しくだろ?してるぜ」
「そうじゃ、あ、やっ」

片方をべろりと舐められる。撫でるように優しく、唾液をたっぷり乗せた舌で愛撫される。とろとろ滑るそれに彼女はいやいやと首を振った。

「や、あぁ、いつも、みたいにっあんっあ、あ」
「いつものは痛いんじゃねぇのか」
「あ、やぁいつもの、いつものが、いい、はぁう」

彼女の言葉とほぼ同時に彼はそこへ歯を突き立てた。がぶりと容赦ない噛み付きに身体が跳ねる。びりりと身体の芯へ広がる快感に彼女は目に涙を溜めた。

「あはあっあっ、いたぁ、う、」
「これも好きだろ」
「っ、すっちゃ、やらっすっちゃやらぁ、う、いたいのぉ、はぁ、きもち、」

ぢゅう、と下品な音と共に強く吸い上げられ、乳輪ごとぷっくり腫れてしまう。彼女は太ももをぱくんと閉じて彼の身体を挟んだ。

「そこだけじゃ、や、なの、あふぅんこっちもぉ」

じゅんと愛液を染み込ませた下着を見て彼はますます欲情する。ぎりぎりの面積しかない下着は彼女の秘部に食い込み、ぷくんと勃ち上がった芽は透けて見えている。その芽を親指でぐりりと押し潰すと彼女は身体を反らして喜んだ。

「あっあひぃっそこぉ、あっあうっあ」
「チッ…これも邪魔だ」
「ぬがせてぇ、あ、ひ」

彼女が素直に脚を開くので彼は下着を剥ぎ取った。にちゅう、といやらしい音と共に秘部から下着へ糸を引く。彼はにやりと口角を上げた。

「やらしー女だな、本当に」
「あ、さっちゃ、あん、んっなめて、なめ、あぅあ、っ」

どろどろと止まらない蜜を眺めながら彼は彼女の芽に思い切り噛み付く。皮が剥けて剥き出しのそこに何度も。上の歯と下の歯を前後させて強く痛め付ければ彼女はびくびくと身体を震わせた。

「あっあひぃん!あっ!あっ!」
「噛まれてイッてんじゃねぇよ」
「いったぁ、いったから、やめ、あ、あぁああ…っ」

絶頂を迎えてるにも関わらず、彼はまだ歯で刺激を与えていた。ぐりぐりと擦り潰され、彼女は泣きながら喘ぐ。

「いってう、ずっと、はぁ、とまんないぃ、っ」
「淫乱が」

びくびく太ももを引き攣らせている彼女を鼻で笑い、彼は彼女が持ってきたローションの蓋を開けた。本来ならそんな使い方はしないが、彼はローションのボトルを彼女のナカへ埋め、ボトルを押し潰す。にゅるるると粘った液体が彼女のナカへ流れ込み、彼女は気持ち悪さにまた達した。

「っ、あ、はぁあぁ、なんか、あちゅ、ひ」
「あ?…あぁ、熱くなるタイプか」

彼女がひくひくと腰を揺らすのでローションのボトルを眺める。ほとんど空に近くなっていた。彼は彼女のナカに一気に2本指を突き立て、内壁の感触を味わうように出し入れを始める。

「さすがにローション使えばこんなもんか」
「あ、あ、あ、そこぉ、さっちゃ、さっちゃ、そこぉ、はぁんっ」
「うるせぇな…」

いつもより大胆になっている彼女は泣きながらも快感を貪っていた。膝の裏に自分から手を回して脚を開く姿はいつにも増して色気を感じる。にゅぷにゅぷ音を漏らしていた秘部も彼のピストンによってだいぶ解れ、彼は指を増やしていった。

「あっあはぁっさっちゃん、いれ、て、」
「挿れてんだろ」
「ちがっさっちゃんのおちんちん、ほしい、さっちゃんのでぇ、はあっいっぱいついて、ほし、あ、」
「…後悔すんなよ」

彼の言葉にぞくっと鳥肌が立った。不安ではなく興奮だ。ガンガンに突かれることを想像し、彼女は勝手に蜜を零した。その入口に彼のモノが押し当てられる。いつもより興奮で固くなっているそれに気持ちが高まり、彼女は彼の腰に足を回して挿入を促した。

「は、や、あっあっあぅ、あっ」

ぐぷっと先端を飲み込んだかと思えば一気に奥まで貫かれる。ぐちゅう、といやらしく愛液が周りに飛び散った。

「はっあぁんっあっああぅあ、ん!」
「あちぃ…っ」
「あ、あ、いく、さっちゃん、どしよ、いく、いくぅ!あっ!はぁあ!ああーっ!」

数回内壁を擦り上げられただけだが彼女はびくびくと達してしまった。ナカが蠢く感触に彼も射精感を促される。モノを食いちぎりそうなほどの締め付けに眉を顰めながら彼は腰を振りたくった。

「くっ…いいぜ…」
「あっきゃあんっい、いってう、やら、おかしく、な、はぁあんっあっ」
「顔見せろよ…」

腰をくねらせてヨがる彼女の前髪を掻き分け、彼はにやりと口を歪めた。泣きじゃくって顔はぐしゃぐしゃだが間違いなく快感に溺れている顔だ。

「は…、」
「さ、さっちゃん、あっはぁっさつ、き、あっさつき、あっあっあっひぃんっ」
「っ…」
「さつき、きもち、はあっあっあぁっ」

焦点の定まらない目で見つめられ、熱っぽく名前を呼ばれた彼は、いつもよりかなり早くナカへ熱を吐き出した。奥の子宮口へ当たり、彼女は一層嬌声を上げる。射精してもおさまらない熱に軽く舌打ちをし、彼は彼女の脚を肩に担ぎ上げて尻を上げさせた。俗に言うまんぐり返しの状態だ。子宮口に先端がずぶりと突き刺さり、彼女はびくびく内壁を痙攣させる。

「あっうぅんそこぉ、きもちぃっひっきもちぃああっあっあっあっあっ!」
「っ締めすぎだ…」
「ひぃっうごいちゃらめぇ、そこぉ、やらっへんになるっあっあっあぅうっ!」

子宮口を虐められることは初めてだったので、彼女は困惑して彼に縋り付いた。しかし彼はお構いなく円を描くように腰を回し、先端を子宮口に擦り付ける。内壁で竿を愛撫され、子宮口に先端を吸い付かれ、彼自身も初めての快感に腰を一層激しく動かした。

「もうっあっもうついちゃらめっ、あっ、あぁひっ」
「突いてほしかったんじゃねえのか」
「らって、あっしんじゃう、からぁっあっ」

びくびくする内壁が一層きゅんと締まった。また彼女が達したのだと気づく。彼の先端もちゅうちゅうと射精を促されるように子宮口にしゃぶられ、素直に熱を子宮に叩き込んだ。

「ひぃあっあちゅ、い、はぁんっきもちぃよぉっ」
「っ…名前」

彼は彼女の耳朶に噛み付いた。





「ねぇ、気持ち良かった?」

事後、彼女はるんるんと彼に腕を回したが、彼はチッと舌打ちを1つ寄越すだけだ。

「ねぇねぇ、気持ち良くなかったの?」
「うるせぇ」
「さっちゃんいつもよりイくの早かったよね?」

気持ち良すぎてよく覚えてないけど、と続けると、彼は彼女の頬を乱暴に摘んだ。

「ちょっとマシになっただけだ」


END
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リクエストくださった漓紅さまへ。興奮して冷たくなるさっちゃんと、気持ち良くしようと企んでいたのに自分が気持ち良くなっちゃう主を書きました。えろ盛り込めきれなかったかもしれません、あんまりえろくなくてごめんなさい。ちなみにさっちゃんが遅漏な理由は早くイッたらかっこ悪いと思って我慢してるんです。ほんとは気持ちいいです。あ、あと、さっちゃんの口調が掴めなくてすみません(笑)
今回は参加ありがとうございました。これに懲りず、これからもよろしくお願いします。
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