「うわ、本当にちっちゃいんだ」

ぼそりと落ちてきた言葉に思わず背中を丸めてしまう。分かっている。周りの友達に比べてもわたしの胸は小さい方だ。大人のおそ松くんにはきっと、物足りないのだろう。

「あれー?名前ちゃん何で隠しちゃうの?」
「だって、ちいさいとつまらないでしょ…」

我ながら拗ねた言い方をしてしまった。胸を隠すように腕で覆うと、おそ松くんはわたしの額に優しくキスを落とす。それから、よしよし、と頭を撫でてくれた。

「可愛いね、おまえ。まだ控えめな性格で、今より好きかもしんない」
「え…?」
「今の名前ちゃんなら多分、文句あるかって腹ぱんキメてたよ」

今のわたしというのはつまり数年後のわたしのことを指すのだろうか。おそ松くんはわたしの未来を知っているのだ。

「あのさ、その、今のわたしは、もう少し胸大きくなってる…?」

ちょっとした期待。恐る恐る見上げると、おそ松くんはじっとわたしの胸を凝視した。そのまま、んん、んんん、と唸ってしまう。

「んんんん変わってない…?いや少しだけマシ…かも…??」
「えっ」
「まあどっちでもいいでしょ、ちっちゃいことには変わりないんだからさ!」

だはは、と笑って肩をぽんぽん叩かれた。絶望的だ。わたしの成長期はこれからだと言い聞かせていたのに、未来を知っているおそ松くんにこうも言い切られてしまえば未来はない。魅惑的な身体を手に入れることはないということだ。ショックを受けていると、おそ松くんはわたしの手首を掴んで隠していた胸を露にしてしまった。じっと見続けられる。

「でかい方が好きだけど、名前ちゃんならちっちゃくてもいいよ」

おそ松くんが珍しく甘い言葉を掛けてくれる。わたしが気にしているのを、知っているのだろうか。

「ん、っ」

おそ松くんは、ちゅ、とわたしの胸へキスをする。柔らかな唇が肌に触れ、ぴくんと肩が揺れた。舌を出して先端をちろちろ転がされると、じんわりとした熱が身体に広がっていく。こんなに小さくてもおそ松くんはわたしの胸で興奮してくれるらしい。唇を窄めて吸い付かれると、急な強い刺激に腰が跳ねた。さっきのじんわりとしたものとは違う、腰にクる愛撫。強めの吸引に唇を噛むと、おそ松くんが前歯を立てて甘噛みしてくる。

「、ふ」
「あは、名前ちゃん声我慢しちゃってんの?そういう可愛いところは変わんないんだ」

可愛い、なんて言われて顔が熱くなる。からかわれているようで何となく手を口許に当てた。だって、変な声が出るから我慢してるだけなのに、それを可愛いなんて。

「あれ?手で隠しちゃうの?」
「、ん…っ、」
「ふうん」

わたしが両手で口を塞ぎ出すと、おそ松くんは下品な音を立てて先端を強く舐め啜った。ぢゅく、ぢゅううう、自分で濡らした唾液を吸い、また濡らしていく。ただ舌の上で弾かれているだけなのに爪先がピンと伸びてきて、お腹に力が入る。くねくね腰を捩っていたらおそ松くんが煩いとばかりにわたしの太股を押さえ付け、何度も唇で挟みながら乳頭だけを舌先で擦り潰した。目の前がチカチカする。

「っふあ、あ…っ? あ……?」

ジーンとした快感が背筋を通って脳髄へと駆け上っていった。別に泣きたいわけでもないのだが、目尻が勝手に濡れていく。怖くなっておそ松くんを見上げると、機嫌が良さそうににこにこしていた。

「甘イキしたでしょ、やっぱ才能あんね。これからたくさん勉強していこうな」
「あ、え…っ? あ…っ?」

おそ松くんが笑って頭を撫でてくれる。宥めるように何度も何度も撫でるけど、まだ身体に熱が籠っていて呼吸が苦しい。そんなわたしに構わずおそ松くんの手はわたしの脚を撫で、内腿へと滑らせていく。

「濡れてる濡れてる、名前ちゃんはおれとのセックスだいすきだもんね」
「は、はじめて、」
「ああそっか、今は初めてなんだっけ。じゃあ処女ってこと?」

おそ松くんはわたしの蜜へ指を擦り付けて濡らしていく。ぬめったそれが膣口へ宛がわれても、ぼうっとおそ松くんを見上げることしかできない。

「あんま暴れないでね」
「え、」

どういう意味、と訊く前に、おそ松くんの指がぐっと中に挿ってきた。入り口がヒリヒリして中への異物感に汗が吹き出す。痛い。中が無理矢理割り裂かれて指がぎっちり埋まり、腰を引くより先に手が出てしまった。おそ松くんの肩を力一杯押しやっても、年齢も性別も体格も違うから全然敵わない。

「暴れないでって言ったじゃん」

指を動かすおそ松くん。中は十分濡れていて出し入れはできるものの、それにどうしても痛みは伴ってしまう。おそ松くんは最初から無理矢理2本突っ込んで出し入れを繰り返した。痛い、痛い、気持ち悪い。汗が止まらなくておそ松くんを押しても、手を止めてもらえない。

「いや…っ、いや、やめて、おそ松くん」
「ああ、まだ痛いのはだめなんだ。あの頃も初めてのときは暴れてたもんね」

おそ松くんはやっと手を止めてくれたが、中から抜こうとはしない。怖くなって名前を呼んでも返事をしてくれなかった。

「ね、ねえ、おそ松くん」

こわい。おそ松くんはわたしを見下ろして、口許をいつもみたいに緩めて笑っている。指が突然中で折られ、お腹側の内壁を刺激された。

「う、あ…っ?」
「ここはGスポット、普段はあんまり触ってあげないけど気持ちいいでしょ。ここを触るときは名前ちゃんが悪いことしたときだけだからね」

そこを触られると変な感じがする。身体が熱くなって、内側から膀胱を刺激されているような、快感とは少し違うけど遠くない感覚。

「やだ…っ、おそ松くん、そこやだっ」
「何で? 嫌じゃないんじゃない?」

ぐ、ぐ、とそこを押し上げられると、中から蜜がとろとろ流れてきた。おそ松くんの指を濡らし、シーツも濡らしていく。どんどん身体がふわふわしてきて、次第に気持ちよくなっていった。同じところを押して、押して、引っ掻き回す。ゆっくり、何度も。

「あ、うあ…っ、あ…っ?」
「いい反応。おれも気持ちよくなりたいなあ」
「はぁ、あ…っ、あ…」

熱くなったそこは次第にしこりのように腫れ上がり、おそ松くんは弄りやすそうにそれを指で持ち上げた。こりん、こりん、と転がして潰して抉り回す。腰が勝手に上下に動き、逃げたくなる。

「やめて、ぇ…っ」
「うん、おしまい。少しずつ勉強しような」

おそ松くんは指を引き抜くとすぐに自分のズボンを脱ぎ、反り勃つモノを取り出した。見た目にぎょっとする。男性のそれは思ったよりグロテスクで、あまりまじまじと見たいものではない。慌てて視線を逸らすとおそ松くんがわたしの腰を少し乱暴に掴む。

「じゃあ、開通しまーす!」

元気にそう言うおそ松くんは、わたしの言葉を待たずに中に自分の熱を押し込んだ。めり、と音がしたかもしれない。やっと消えてきた痛みが数倍になって帰ってきて思わず息を止めてしまう。2本の指では比べ物にならない質量が無理矢理押し込まれているのだ。ぼろぼろ涙を流して暴れると、おそ松くんはうっとりした目でわたしを見下ろす。

「ちいせえ穴…っ、あー…、さいこうだよ、名前…」

こんなに泣いていてもおそ松くんは腰を打ち付ける。奥までしっかり貫かれて痛みに悶えているわたしに、がっ、がっ、と腰を遣って快感を貪るように無遠慮に熱を擦り付けるのだ。ぬめる内壁が滑りが良いらしく、空気を孕んで厭らしい音を生み出す。

「あー…っ、あは、きもちい…っ、ねえ、名前ちゃんって、もう生理きてんの?」
「や、やだあっ、や、あぁあ、あ、」
「生理、きてんのか訊いてんだけど」

おそ松くんが奥に挿入したまま、くんっ、と腰を持ち上げた。更に奥を叩かれて内臓が持ち上がるみたい。大きな違和感を感じるのに、これが何だか、ふわふわする。

「きてるっ、きて、る…っ」
「そうなんだ、じゃあ赤ちゃん作る準備できてんだね」
「え…っ? おそ松くん、避妊、」
「きてるなんて、知らなかったもん」

へら、と笑って見せるおそ松くん。成る程ゴムを付けている様子はなかったが、まさか生で挿入されるなんて。抜いてもらおうと一生懸命手を伸ばしておそ松くんを押しやりたくても、腰を持ち上げられてベッドから浮かされてしまえば力を入れることはできない。器用に腰だけ動かして奥を何度も持ち上げた。

「ここ、名前ちゃんの赤ちゃんができる部屋だよ。ここをこうすると、気持ちよくなってくる? いつもなら名前ちゃん、絶叫してるよ。そうなるまでに少し時間かかったけどね」

くんっ、くんっ、おそ松くんのモノで持ち上がる。この内臓が、子宮? 揺さぶられる度に変な気持ちになるのは、気持ちいいってこと? 分からない。初めてだから分からないのに。

「い、いやあぁああ…っ!」

わけも分からないまま白い液体が噴き出した。プシャアッ、とそれがおそ松くんへ掛かり、おそ松くんが喉を鳴らす。何これ、何これ、知らない。

「あは、名前ちゃんやっぱりおれのちんぽ大好きなんじゃん」
「や、やぁ…っ、なに、これぇ…っ」
「ニートちんぽで優勝中ってこと」

笑いながら腰を振るおそ松くんが何を言っているかは分からない。視界がただ真っ白で、頭も同じく真っ白で、涙と汗でぐしゃぐしゃで、わけ、分かんない。必死に手を伸ばしておそ松くんにしがみつき、喘ぎ狂う。えっちって、こんなに自分を見失うんだ。

「おそ松くん…っ、おそ、く、おそ松くんっ」
「処女で生ハメ中イキ、潮吹き、おまけに中出しまで、おめでとう」

びゅく、びゅるるぅ。
中に熱い何かが広がる。さっきまで突き上げられていた場所に熱が掛かる。息が苦しくて、ぜーはー肩で呼吸を繰り返した。おそ松くんが笑いながら目尻を拭ってくれる。

「名前ちゃんほんとかぁわいい。セックスハマっちゃった?」
「わかん、ない…っ」
「わかんないかあ。上出来だと思うんだけどなあ」

ちゅ、とキスを落とされて、やっと行為が終わったと安堵する。暴力的な快感で、獣のような交わり。こんな必死にならなきゃいけないなんて、えっちというものは体力が要る。

「おそ松くん、もっと、して…」

キスが気持ちよくてついねだってしまうと、おそ松くんは嬉しそうに笑ってわたしの唇へそれを押し付け、舌でなぞる。わたしはまだ、こっちの方がいい気がする。それなのに、おそ松くんは出したばかりの熱をもう固くしてわたしの内腿に押し付けてきた。

「えへへ、名前ちゃん」
「いや、無理」
「まあまあまあまあ」
「無理!ほんとに無理だから!」

先っぽを濡らしているおそ松くんが、ちぇっ、という様子で体を起こす。拗ねられても無理なものは無理だ。多少の申し訳なさはそれなりに感じつつおそ松くんに視線を遣ると、おそ松くんはわたしの手を引っ張って起こそうとしてきた。

「え、」
「ねえ名前ちゃん、少しずつ勉強してこうって、言ったよね」

おそ松くんが悪い大人の顔をしている。正直こちらとしては処女を喪失したばかりなのでそろそろ甘ったるいピロートークへと移りたいのだが、おそ松くんはそうしようとはしていない顔だ。何を言われるか分からなくてドキドキしながら喉を鳴らす。おそ松くんはそんなわたしを笑い、後頭部を掴んで自分の足の間へとわたしの顔を近づけさせた。

「次は、これしゃぶってみてよ」


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TLのスケベ担当。どのツイートも何を言ってるのかよく分からない人ですが、松野が絡むと一層何を言ってるのか分からないです。会うと普通の人間なので一瞬安心するものの、喋らせると最高に意味が分からないので毎度楽しいです。お誕生日おめでとうございます。これからも宜しくお願いします。
20170613
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