卒業するまでセックスは禁止。
社会人のわたしと高校生の仗助くんの間に、付き合い始める前に決めた約束だ。世間的にまずいこの年齢差で、卒業前に付き合い始めてしまうわたしもどうかと思うのだが。

「っは、あ……」

舌の裏を何度も舐め上げられ、唾液を吸い上げられる。口の中に居続ける熱に酔わされ、堪らず仗助くんの首へと腕を回すと、一層激しく興奮を表して舌を絡めてきた。性に盛りのある高校生。わたしが強く拒まないとあの約束は適応されないのに。

「ん……」

仗助くんの右手がわたしの胸にそっと触れる。感触を確かめるために、優しく、でも控えめに。そちらに集中しているのか、一時的に舌の動きが止まってしまったのが寂しくて自分から舌を絡めにいった。ハッと気づいたように仗助くんも舌を絡めてくれるけれど、手の動きは止まらない。先程よりも少し強めに、ゆっくり撫で回しながら揉んでくる。体に触れるのは果たして良いのだろうか。

「…、」

ふと仗助くんが唇を離し、わたしの目をじっと見つめてきた。

「な、なに」
「名前さん、これ外さねえっスか?」
「なっ…外さないよ…!」

恨めしそうにブラジャーをとんとんと指で叩く仗助くん。だって脱いだらアウトでしょう。卒業までまだまだ先だ。ここで脱いでしまえば我慢できるわけがない。

「別に見せてくださいってわけじゃあなくて…、俺こんなに我慢してるんスよ? チコ〜っとご褒美あっても良いんじゃあないっスか…?」

わたしよりもずっと大きな体をしているのに、こういうときは背中を丸めて上目遣い。高校生の期待の眼差しが、わたしには苦しい。確かに仗助くんには無理を強いている自覚はある。社会人だからというわたしの世間体を崩したくないばかりに性に関心がある今この青春期を我慢しろと言っているのだ。でもそれを承知で付き合ったはずなのに、とも思うけれど、やっぱり惚れた弱みというやつか、可哀想だなという感情もある。

「見ないのね?」
「見ないっス」

はあ、と溜め息を吐いて渋々という演出をする。服の下でモゾモゾとブラジャーを取り、所謂ノーブラ状態で仗助くんに向き直った。わたしが置いたブラジャーをチラッと一瞬見た仗助くんは、次にわたしの胸を服越しにまじまじと見つめる。

「あ、の…、」

緊張で乳首が勃つかもしれないと思うと恥ずかしくて居ても立ってもいられなかったが、仗助くんはそんなわたしに気づいたのか二の腕を引っ掴んで抱き寄せ、再びキスを再開させた。しかもがっぽりとわたしの唇を覆ってしまうように深く、舌も直ぐに入ってくる。舌の付け根まで届いてしまうような深い深い交わりに目を瞑りながら精一杯応えていると、仗助くんの手がまたもやわたしの胸へと辿り着いた。今度はブラジャーという隔たりがなくなった分、仗助くんの掌をしっかりと感じてしまう。

「ん…ぅん…」

感触を、大きさを、形を探るように、ゆっくり、じっくり。胸全体を這うように動く仗助くんの手に、体がじんわりと汗ばんでくる。気持ちいい。胸を揉まれているだけなのにドキドキが落ち着かない。激しく絡む舌が擦れ合う度に口内で水音が響く。

「っあ……!」

思わず唇の隙間から声を出してしまった。仗助くんの掌がわたしの乳首に当たっている。完全に勃っているのだ。主張の激しいそこを掌で優しく行ったり来たりされると、下腹部が急に熱くなる。少しずつショーツを汚している自覚はありつつ、気づかれないように必死に舌を絡めるが、仗助くんは次に指先でわたしの乳首をなぞるのだ。

「っ……」

さすがにこれにはキスを続けられなかった。先端を指でゆっくりなぞられただけなのに、気持ちいい。唇を離したわたしを嗜めるでもなく、仗助くんは更にぐっと指先に力を込めてわたしの乳首を押してくる。びくっ、と過剰に体が跳ねる。

「仗助くんっ、待って……」
「なんスか?」
「そこは……だめ」

恥ずかしくて顔を反らすと、一瞬沈黙があってから「そこって、ここ?」と仗助くんがきゅっと乳首を摘まんだ。お腹にビリビリ刺激が伝わる。

「あっ…ん、だめだってば!」

声が大きくなってしまった。ただ摘ままれただけなのにもうきっとショーツはトロトロだ。気持ちいい。お腹が疼く。やっぱり、欲しくなってしまう。

「へェ〜〜〜、胸触るのは良いのにここはだめなんスね」

仗助くんの指は乳首から逸れ、その周りの乳輪を辿るように移動した。短く切り揃えられた爪を少し立てて、ゆっくり、ゆっくり、乳首の周りを一周する。くるり、くるり。ますます乳首が勃ち上がる。

「もしかして、名前さんが感じちまうことはダメっつーことですか?」

乳首の2ミリ下を爪でカリカリされながら、低い声を出す仗助くんと目が合った。どくんとお腹がまた疼く。本当は触ってほしい。そこじゃなくて、もっと先端をちゃんと引っ掻いてほしい。さっき気持ち良かった乳首の先端をずっと爪でカリカリされていたい。そう思うと声が出なくなった。わたしは、どうしてこんな高校生と恋に落ちてしまったのだろう。悪戯に笑う仗助くんが、くるりと半周して今度は乳首の2ミリ上を爪でカリカリしてくる。

「お預け、っスね」

自分で言い放った約束が煩わしい。まだまだ先の卒業を心待ちに、もう意味を為さないくらいくらいにショーツを濡らしてしまうわたしは、なんて浅ましいおとななのだろうか。

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お久しぶりです。生きてます。
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