未成年を家に招くところから本来であればアウトだったのかもしれないけれど、前々からおねだりを重ねてくれていた彼をあしらうことができずに部屋に上げてしまったことが今回の敗因だ。外で会うときのように人目を気にしなくてもいいので、当然の如くスキンシップが増える。それについてはわたしも仗助くんも嬉しいことだ。普段なら帰り際に1度きりのキスだって何度もできるし、抱き合ったり手を繋ぐ等の触れ合いも過剰にできる。ふたりきりの時間を堪能して、わたしたちはすっかり浮かれてしまっていた。

「泊まってってもいいっスか…?」

仗助くんの可愛らしいおねだりは、いつだってわたしの心を揺らがせる。口を尖らせながらの上目遣い。だめ? 名前さんもしたいっスよね…? と甘えて顔を近付けてくるのだ。この顔で頼み込まれると滅法弱いわたしは小さくこくんと頷くのが精一杯。仗助くんはわたしが断れない性格だと分かっていてこうして甘えてくるのであって、冒頭にも述べたように、今回の敗因は彼を部屋に上げたところから始まっていたのだ。


(( 年下の誘惑 ))


それからは御察しの通り、性の盛りである高校生の仗助くんはわたしに何度もキスを寄越した。ぷっくりとした厚い唇がわたしを翻弄するが、ぎりぎりの理性で彼の胸板を押して抵抗する。未成年と性交渉だってまずいのに、況してや彼は高校生。せめて高校を卒業するまでは我慢をしようと前々から言ってあるのに。

「仗助くん、だめだって…っ、ほんとに、だめだから…!」
「キスしかしてねーっスよォ〜、大好きな仗助くんに甘えられんのもイヤって言うんスか?」

好かれている自信のある仗助くんは、何をしてもわたしが強く断れないのを良いことに同じ布団へと潜り込む。先程だって仗助くんのワガママ通り、お互いの髪を乾かしたり、足にボディークリームを塗ってもらったり、肩を揉んでもらったり、わたしからすれば少々恥ずかしいことを強引に進めてきたというのに。

「これ以上は、ほんとに…!」
「これ以上って、後は寝るだけっスよね? それとも俺は床で寝るんスか?」
「ち、ちが…、わたしはソファで寝るから仗助くんは、」
「フツー恋人同士が泊まるのに別々に寝るわけないじゃあないっスか〜、そんなのフツーっスよ」

少し拗ねたように仗助くんはムッと唇を尖らせた。彼の機嫌を損ねたいわけではない。ただ、彼には高校生らしく健全なお付き合いをしてほしいと思っているだけだ。わたしが黙り込んでしまうと、仗助くんはあからさまにしょんぼりと肩を落とす。

「……まァ、無理強いはしないっスよ。スイマセン。俺だけはしゃいでたっつーか…、名前さんと泊まれるのが嬉しくて調子乗っちまって」

罪悪感がチクリとわたしを刺激した。確かにこの後は眠るだけなのに、わたしは少々過剰にスキンシップを避けていたかもしれない。今日1日仗助くんにたくさん触れてもらって、この流れでこのまま、と勝手に決めつけてしまったに過ぎないのだ。仗助くんは純粋にわたしと眠りたかっただけなのかもしれない。

「ご、ごめん、そうじゃないの。……一緒に寝る?」
「えッ、いいんスか〜、じゃあお言葉に甘えて!」
「うん…」

仗助くんの切り替えの早さは音速だ。同じ布団へ身を包むと、仗助くんは嬉しそうに目を細める。幸せそうに微笑まれると、わたしも口許が緩んでしまうのに。

「名前さんの匂いがスゲーする」
「やだ、嗅がないでよ」
「いい匂いっスよ、安心する匂い」

仗助くんの大きな掌がわたしの頬を撫で、流れるように唇が合わさった。今日何度も繰り返したキスに、少しだけ慣れたわたしは自分からも唇を合わせて仗助くんの胸板に手を着く。とろんと優しい唇に甘く愛撫を繰り返され、身体が火照ってしまいそうだ。

「おやすみのキスっスよ。名前さん、今日はホントに楽しかった。だいすきっス」
「わたしも好きだよ、仗助くん。おやすみ」

もう一度触れ合うだけのキスをすると、仗助くんは嬉しそうにわたしを抱き寄せて体温を重ねてくる。とくん、とくん、心地好い心音が耳許で響いた。仗助くんの匂い、腕の感触、息遣い。こんなに近くに仗助くんを感じながら自分のベッドにいるなんて、何だか不思議な感覚だ。仗助くんの逞しい身体がわたしを僅かに欲情させる。だめだと言いながらも、わたしだって仗助くんとしたくないわけじゃない。こんな気持ちを抱えながらではなかなか寝付けないだろうなと考えていると、すぅ、すぅ、と一定のリズムを刻む寝息が頭上から小さく聞こえ出した。

「……仗助くん?」
「…」

返事はない。すぅ、すぅ、可愛らしい寝息を繰り返す仗助くんは、邪な考えを抱くわたしを置いてあっさり寝てしまったのだ。切り替えの早さには度々感心しているが、まさか寝入りも早いなんて。ちらりと寝顔を盗み見ると、力の抜けた眉や口許が彼を幼くさせている。先程までのキスだけでわたしを気持ち良くしてくれている彼とは大違いだ。それでもしっかりとした胸板は成熟した男のそれと大差ない。僅かに頬を寄せて彼の匂いを堪能する。

「…、」

静かにショーツへ手を忍ばせた。こんなこといけないと解ってはいても、先程まで理性を保てていたのなら上出来だ、彼が眠っている間であればこのくらいいいだろう、とわたしの中の悪魔が囁く。散々彼と触れ合い、火照ってしまった身体を慰めるのだ。期待で敏感になっているクリトリスを皮の上から優しく刺激する。声は出せない。背徳感と興奮が合わさり、仗助くんの胸板へ一層顔を埋めてしまった。この匂い、この温もり、この心音、この息遣い、どれもこれもが愛おしい。好きという感情ばかりが溢れて止まず、それに比例するようにわたしの指遣いは速くなっていった。自分で弱いところだけを的確に虐め、早くこの熱を収めなければならないのだ。仗助くんが傍に居るだけで普段よりもずっと敏感になる。

「…っ、は…、」

弾んだ息が僅かに漏れるが、仗助くんは眠っているからまだ大丈夫だ。指を激しく動かすとくちくちと粘った水音が漏れてしまうので、静かにゆっくりとクリトリスを押し潰すだけ。本当は中を弄って気持ち良くなりたいが、今日はそうもいかないのだ。仗助くんの胸板へ鼻を埋めているだけなのに、こんなにも興奮が持続する。逞しい腕に触れ、脚をほんの少しだけ絡めてみた。仗助くんの身体を感じてますます気持ちいい。仗助くん、仗助くん、だいすき、仗助くん。息が乱れて我慢が効かなくなってくる。もうイッてしまいそうだ。

「、ぁ…っ」

小さく声を出してしまったと同時に、仗助くんがモゾモゾと少しだけ動く。慌てて息を殺すが、仗助くんはわたしに擦り寄るようにわたしの背中に腕を回した。

「名前さんだけずるくないっスか…?」

どきりと心臓が跳ねて指の動きを止める。恐る恐る顔を上げると、ぱっちりと目を開いた仗助くんと目が合ってしまった。仗助くんがにんまりと笑いながらわたしのショーツの中へと指を侵入させる。

「あ…っ」
「スッゲー熱いっスね…、こんなんなってたんスか?」

仗助くんが、起きてしまった。最初から起きていたのか、わたしが起こしてしまったのか解らない。この状況が良くないことだけは理解できても、わたしが仗助くんの手を押し返すより先に、仗助くんはわたしのクリトリスを指の腹でなぞった。ぴくりと腰が震えてしまう。

「じ、仗助くんっ、だめ…っ」
「だめじゃあねェんだろ、今日1日俺とこういうことシたかったくせに」
「そんなこと、っ、」
「そういう気持ちにさせるように触ってたんスよ」

仗助くんの指がゆっくりと動き出す。敏感なところを優しく擦るように、ゆっくり、ゆっくり。ひとりで処理をしようとしていたことがバレてしまったのも恥ずかしいが、こうして弱い場所を探り当てられる方がよっぽど恥ずかしい。慌てて仗助くんの胸板を押しても、火照った身体には強すぎる刺激に眉を寄せて感じてしまう。彼の言う通り、ずっとこうされたかったのだ。

「もうこんなトロトロなんスね、やらしー…、名前さんが自分で触っちまうなんて予想もしてなかったけどよォ〜、ホントたまんねェっス…」

掠れる低い声がわたしをますます欲情させる。指が擦れる度に身体が熱くなり、頭が蕩けるようで、膣が疼いて仕方ない。もっと気持ち良くなりたい。もっと彼の手に触れられたい。理性さえ外れてしまえば彼の欲を突き立ててもらうことだって出来るのに。

「じょうすけ、くん…、」

それでも僅かな理性がわたしを許してはくれない。仗助くんの腕を押さえるように抱き抱えると、彼はムッと唇を尖らせて指を膣へと滑らせる。

「どんどん濡らしてるくせに」
「だめ…、ねぇ、だめだから…っ」
「聞こえねーっスよ」

弱々しい声で訴えても、仗助くんの指はゆっくりと膣口をなぞって蜜を指に擦り付けた。太くてしっかりとした男の指が、ゆっくりとわたしの内壁を割り裂いてくる。頭ではだめなのだと解っていても、女が疼いて大した抵抗ができない。でも、彼は高校生なのに。

「だっ、だめえ……っ!」

ぐ、と指が1本収まってしまうと、仗助くんはそれをゆっくり動かして膣内の感触を味わった。ぐぢゅりと厭らしく膣が鳴る。これ以上は本当にだめだと焦るものの、わたしの力では仗助くんを止められない。

「あ、ぅ、いやあ…っ、仗助くん、だめだって、ばぁ…」
「なァ、アンタいつもひとりでシてるんスか? ここスゲー柔らかいっスけど」
「ぅ…っ、く、」

そんなにもだらしない膣をしていただろうか。仗助くんを想って自分を慰めているうちに、そんなことになってしまっていたのだろうか。恥ずかしくて居られない。大好きな仗助くんに、はしたないわたしの身体を暴かれるなんて。

「わたしだって…っ、ぅ、がまん、してるんだもん……っ」

半ばやけくそに仗助くんを睨む。気持ちいい。もっと中を擦られたい。その欲望を必死に堪えているのは、仗助くんがまだ高校生だからなのに。

「何でそんなこと我慢するんスか? もうシちまえばいいんスよ」
「だめ、っ、仗助くん、まだぁ…っ」
「まだ、何スか? ガキだからだめ? そのガキの指でヒンヒン言ってるアンタは“立派な大人”なんスかねェ」

仗助くんを思って止めているのに、彼はにんまりと笑いながらわたしを誘惑する。だめな大人になっちまえよォ〜とほくそ笑んでいる悪魔のようだ。仗助くんの指がわたしの内壁をクイクイと擦り上げ、弱い部分を指の腹で撫で回すと、情けない女の声がわたしの口から止まらなくなる。彼の言う通り、わたしは立派な大人なんかではないのだ。大好きな仗助くんに触れられて、気持ちいいところを掻き回されて、もう拒む理由なんて思い付かない。気持ち良くなりたい、彼とひとつになりたい、ただそれだけだ。仗助くんはわたしの頬に優しくキスを落とすと、切なそうに眉を下げてお得意の上目遣い。

「名前さんの中、挿れていいっスよね……?」

仗助くんのおねだりを断れるのであれば、端から部屋になんか上げていないのだ。解っていてここまで強引に出ているのに、最後はわたしに選ばせる。狡くて可愛いこの彼氏を、わたしはどうしても憎むことができない。堪らず仗助くんの首へ腕を回すと、彼は嬉しそうに舌舐めずりをしながら自分の熱をわたしに宛がった。

END
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リクエストをいただきましたので、今年初エロでした。えっちさせたくなっちゃいますね。名前様、お付き合いありがとうございました。
20200106
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