肩で息をしながら帝歌くんを見上げると、優しく微笑みながらまた小さくキスを落とされた。足の間を強引に割って自分の足を入れ、腰が砕けそうなわたしを支えている。こんな、誰が通るか分からない学校の廊下で、何でこんなことするんだろう。

「てい、かくん、あの、」
「ん?」
「んっ…、く、ふはぁ、ここじゃぁ、あ、ん」
「心配しなくてもここはほとんど誰も通らない。ほとんど、だけどな」
「や、あぁ、」

舌で口内を愛撫され、スカートの中では下着の上からくにくに弱いところを押し上げられる。息が苦しいのに体は気持ちよくて、これ、苦手なのに。

「っ、ん、帝歌くん…っ」
「何だ」
「どうしてこんな、いじわるするの…っ?」

帝歌くんの指先は下着の上でスリスリと小刻みに動かされている。布越しに感じる帝歌くんの細くて長い男の人の指。いつも嫌がっても中を何度も擦ってわたしを追い詰める、えっちなお手々だ。今日はまだ中も触られていないのに、もう腰が、だめ。帝歌くんはにやっと口許を吊り上げる。

「お前がそうやって苛められたがるからだろ」
「あ、ぇ…?」
「嫌がるわりにはさっきから腰が動いているな。もう中に欲しくなったか?」

帝歌くんの指がツツゥと奥に滑ってくると、ぴちゃ、と肌に下着が吸い付く感触にびっくりした。そんなに濡れていたなんて。帝歌くんもそれに気付いて、ぺち、ぺち、と小さい音を立てて指をくっつけたり離したりする。布越しなのに糸が引いているところが想像できた。

「お前が欲しがるなら中に入れてやってもいいぞ」
「…ふ、っんん」

大好きな甘い声を耳許で聴かされる。息を吹き込むように囁くから、その甘ったるさに酔わされそう。気持ちいい、もっと気持ちよくされたい、いつもみたいに中を掻き乱されたい、でも、学校なのに。どうしたらいいか分からなくて首を小さく横に振ると、帝歌くんがまた嬉しそうに笑う。

「お前の困っている顔は何度見ても可愛いな。もっと困らせたくなる」
「いじわる…っ」
「あぁ、俺は意地悪だ。お前が好きだから仕方ないだろう。大切にしてやりたいと思う反面、苛めたくなるのが男の性なんだよ」

ぬるる…、ぬるる…、帝歌くんの指が下着の上で大きく往復する。いったりきたりしているうちに熱を持って膨らんでいるそこへ擦れて気持ちがいいし、濡れて帝歌くんの指を汚してしまう。腰を引きたくても後ろには壁があって敵わない。熱に溺れさせられ、頭がおかしくなりそうだ。

「ていかくん…っ、ぁ、ていか、くん…っ」
「…これが欲しいか?」

帝歌くんが下着をずらし、指を膣口へ宛がう。このまま腰を下ろせば中に入れてもらえると思うとびくっとした。いつもの快感が、こんな場所で…?

「や、だめぇ…っ、ここ学校だし、それは、だ、め…っ」
「でも腰を動かしてるのはお前だろう?少し入ってしまったぞ」

帝歌くんの第一関節を飲み込んでしまった。このまま中を、気持ちいいところを押し上げられて、擦られたい。でもここは学校で、誰が来るか分からない。性欲と理性が戦っていると、帝歌くんがぐっと指を中に入れる。

「あぁ…っ、だ、だめ…っ」
「だめ?嫌なら腰を浮かせばいい」
「ん、ん、くぅ、」
「…逃げないのか?」
「あん、あ、あぁ…」

帝歌くんはずるい。わたしが嫌がってないって分かってる、逃げられないって分かってる、気持ちよくしてほしくなっちゃったって分かってる、分かってるのにわたしを責めるから、ずるいよ。帝歌くんの指が奥まで入ってきて、思わずきゅううっと締め付けた。これ、これが欲しかった。でも、学校なのに。

「やっぱり、だめぇ…っ」

帝歌くんの胸板を押すと、帝歌くんは逆にわたしを抱き寄せた。帝歌くんの胸に顔を押し付ける形になり、指だけが器用にぐちゅぐちゅ動かされる。帝歌くんのにおい、帝歌くんの温もり、それから、帝歌くんの感触。熱い。

「抵抗しなかったくせにだめなのか?だめじゃないんだろう」
「んんっ、あっ、くぅ…っん、ん、」
「ふ、声を我慢して、偉いな。お前が我慢できたらこのままここでイッても誰にもバレないぞ」
「あ、ぁふ、う、んん…っ」

帝歌くんの声はわたしに甘い誘惑をする。いつもそうだ。この声に従順になってはいけないって分かっているのに、帝歌くんに全てを委ねたくなる。もっともっと帝歌くんを感じることができるのであれば、場所なんてもうどこでもいい。

「帝歌くん…っ」

きゅ、と帝歌くんの腰に腕を回すと、帝歌くんはまたフッと笑ってからわたしにキスを落とした。


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マジきゅん始めてしまいました。帝歌が思いの外甘いし意地悪だしで、書きやすすぎるキャラです…!
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