Q.問題です。
ズシリと響く音は、一体なんでしょうか。

1.彼の腰が動く音
2.私の心臓が揺れた音
3.彼の声で私の脳が満たされた音

正解は…。



松野一松という男は、ぼそぼそと聞き取りづらく喋る男だ。受付嬢と電話対応を仕事として行う私には、なんとも不愉快な喋り方なのである。しかしこの男の声、時として子宮に響くほどエロい。
「…っあんっ」
「あぁー…あったかい」
ずるりと入り込んだ異物に腰を引きそうになりながら、ズシリと全体重をかけてもたれかかる男の体温に胸がぎゅっとした。心地よい、重み。
「動いていい?」
「んっ」
小さく返事をすればニタァと笑い(常人には到底笑っているようには見えないらしいが)嬉しそうにゆっくりと腰を動かし始めた。
「ぁっ…んっ」
「きもちいい」
「う…んっ」
聞いたのか同意を求められたのかわからないまま、揺れる腰の動きに上擦った声を上げることしかできない。主導権はもちろんずっとこの男だ。前後へ揺れる男の腰は徐々に早くなる。

バクバクと聞こえる心臓の音は私なのか一松なのか、よくわからない。
「ア…ッい、く」
耳元で一松がボソボソと言う。ゾクゾクと身体が震えて、凹凸がハマったみたいにガツンと頭が重くなった。
「あっ、っあ、来てっ…」
思わず口に出た言葉に無意識ながら自分にビックリしたが、私の中に出した一松がそのままもたれかかるので重みが暖かい。

「わたし、一松の声、凄く好きなのかも」
「はあ?なに急に」
SEXしてる時は甘えてくるくせに、終わると男らしくしたがる一松は可愛い。
「だって一松が耳元で何か言うたびに胸の中がきゅんなんて可愛いものじゃなくてずっしり子宮くらいまで重みが来る」
「…」
口をパクパクとさせながら赤面する一松にくすくすと笑って、軽くキスをすれば照れたように背中を向けて寝られた。

ずっしりと私に降りかかる重みの音は、心と体を満たすために必要らしい。
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