チッチッチッチ・・・
・・・時計の針の音が聞こえる
遠くで聞こえる話し声・・・

・・・んん・・・・・・

ぼんやりと覚めていく意識の中で、何かの違和感を感じた
・・・? 
目が開かない・・・
目の前が真っ暗なままだ
ぼぞり、と動くと布団が敷かれているのが感覚で分かった
そして手が暖かいものに触れた
それは彷徨っていた手をぎゅっと掴んだ

「ハニー、起きたか?」

この声は
『・・・から、まつ・・・?』
隣から私の彼氏の声が聞こえた
その声を聞いただけで少しだけホッとする
カラ松はぐっもーにん、というと体を起こそうとする私を手伝ってくれる
なんだかいつもより体が重たい気がする
少しだけ頭が痛む
そういえば、私カラ松と呑んでて・・・それで・・・

『・・・あれ・・・私・・・』
「珍しくハニーが酔い潰れて、眠りについてしまったから家に連れてきたんだぜ」

ああ、ここ、松野家か
だとすると遠くで聞こえてるこの声はご兄弟の声か

『それは、大変申し訳ないことを』
「ノープロブレム、ハニーは軽いからな」

もっと肉をつけた方がいい、と肩から腕をがしっがしっと掴まれる
いきなり強く掴まれたから一瞬びくっと体が震える

『ところで、なんで私目隠しなんてしてるの?』

何かプレゼントでもあるわけ?と目を覆うものを取ろうとする
だが、その手を掴まれ阻止された

「ノンノ〜〜〜ン、ウェイトだハニー」

えっ、なに
もしかして本当にプレゼント?

「まぁ、プレゼント、とは違うが、似たものか?」

すると、声が近づいてきた
ちゅっと額にキスをされる
次に頬、唇、首筋・・・
それと同時にスルリ、と服の中に手が入ってきた
私は驚いて思わず体を仰け反らせた

『ま、待って、待ってよ』

顔を手で防御し、もう片方の手でカラ松の腕を掴む

「どうしたんだ?マイハニー」

防御している手にキスをされる

『どうしたって・・・スるの?』

この状況のままで?
それに・・・私達は最近ご無沙汰だった
その原因はまぁ私なんだけど・・・
付き合って半年だが、私はカラ松のエッチの仕方が少し苦手なのだ
カラ松は執拗に私に愛を囁いてくれるのだが、それがどうも好かなくて
もどかしいというか、なんというかむず痒くなる
だから最中のカラ松の声はあまり聞きたくない
それに今日はなんだか様子がおかしい

「嫌か?」
『・・・まぁ、気分は乗らないし、目も隠したまま?なの?』

するとぎゅうと抱きしめられる
肩にカラ松の顎が乗る
ふぅっと突然息を吹きかけられて体の力が抜ける

「・・・ハニー、何か俺に内緒ごとがあるんじゃないか?」

・・・は?

『なに、なんのこと』

すると鼻が耳にかかる髪を掻き分ける
むずむずする
すると唇が耳に触れた

「おそ松と呑む酒は美味かったかぁ?」

ぼそりと呟かれた言葉
低くて心地のいい声のはずなのに、とても冷たく感じた

『!!』
「仲良さげに腕まで組んでたなぁ?」

吐息が耳にかかる、むずむずする
それから逃れようとすると頭を支えられてしまった

『み、見てたの・・・?』
「その様子だと、何か悪いことをした自覚があるのか?」

どきっと心臓が怯えた
優しく髪を撫でる手、その手さえ怖い
何より表情が見えないことが、怖い

「なぁ、おそ松と何をしてたんだ?」
『それは・・・』

口が止まり、言葉が消える
私は俯き、小さな声を振り絞った

『・・・ごめんなさい・・・』
「なぜハニーが謝るんだ?」

それとも、謝るようなことまでもの事をしたのか?
服の中に忍び込んだ手はするすると背中を撫ぜた
そしてホックに触れると器用にそれを外した
一瞬で胸元に余裕ができる

「これは、プレゼントなんかじゃないぞ、おしおきだ」

ハニーが俺から離れられなくなるための、お仕置き
噛み付くように唇を奪われると舌が口内を犯す
ぐいっと後頭部を押され、逃げる舌が捕まり執拗に絡んでくる
どんどんと息が荒くなる
するすると不規則に体を撫でる手が、胸に触れると体が強張った

「・・・はは、すごいぞ、心臓の音」

左胸に触れる手が少し冷たい
目が見えてない分、自分の鼓動の音までも聞こえてきそうで

「ここも、期待してこんなに立ってる」

そういうときゅっと指先で抓まれる

『あっ・・・』

優しくなぞられたり、爪ではねられる
体がぴくぴくと震える
するとその時、耳に違和感が
生温い感覚が伝う、それと同時に水音が響いた

『っ、み、み・・・っ、ぁっ、いや・・・っ』

だけどカラ松は少し笑うとまた舐め始める
吐息と水音が響く
音だけしか伝わってこない感覚が、妙に違和感でしかなくて
なぜかいつもよりどきどきする

「ハニー、声抑えなくてもいいんだぜ?」

低い声で突然そっと呟かれて思わずひゃぁ、と声が漏れる
そんな言葉を聞き入れるわけもなく、必死に声を押し殺す
かすかに聞こえるテレビの音、話し声
ご兄弟が、下にいるんだ
(ばれたりなんかしたら・・・)
するとカラ松はまた笑うと

「強情だな」

と呟きまた耳をしゃぶった
何も見えない、表情も、手の動きも
人間は五感の一つを失うと一つが冴えるという
目が見えない今、耳が冴えていて
全ての音がいつもより鮮明に聞こえる
すると手を掴まれ誘導される
手に触れたものに私は一瞬頭が白くなった

「・・・触って」

余裕のなさそうなカラ松の声
パツパツになっているそれは
手でなぞるだけで形が分かるほどだった
ズボンの上でもぴくぴくと震えるのが分かる
私は手探りでベルトとチャックを外すと
また手探りでパンツに触れる

ねちゃっと手に何かがつく
パンツからもう染み出している

「名前に触られると考えただけで、
こんなんになってしまった・・・」

その言葉が、少し胸に刺さる
付き合ってるのに、こんなことを言わせるなんて
私はゆっくりとパンツを下ろすと
また手探りでそっとそれに触れた

ぐちっと触っただけで厭らしい音が鳴る
手を上下に動かすと、水音はどんどんと増していった
カラ松の吐息もどんどんと荒くなる

「名前・・・っ、んっ、ぁ、名前・・・っ」

私の名前を囁く声
名前を呼ぶのは、余裕がなくなってきたからだ
それを聞いているとなんだか私も変な気分になってきた
恐る恐る口へ運び、先っぽを舐めるとびくっと脈打つ
顎が外れそうなくらい膨らんだそれを必死に口にふくむ
舌で舐め、口で扱くと脳内に音が響いた
じゅるじゅると響く音、見えないはずなのに脳内で再生される

『んっ、んぁ・・・ふ、ん・・・っ、ぁぁ・・・』
「くっ・・・、名前、でる・・・ッ」

その時
どくんっと脈打ち、口の中に放たれる
すごい量が出て、思わず口から出てくる

「・・・あぁ・・・ッ、ふっ、すごく、魅力的なフェイスをしてるぜ、ハニー・・・」

そういうとぐいっと口元をこすられた
その後くいっと顎を上げられる

「さぁ、飲んでくれ」

頬も膨らむほど口の中に入ったものに戸惑っていたにも関わらず
いきなり顎を上げられ、驚きでガハッと咳き込む
それでも喉に突っかかってくるので思わず飲み込むと
ごくっごくっと喉が勢いよく鳴って中身がなくなった
飲み干してげほげほと咳き込んでいると、カラ松は優しい手で髪を撫でた

「ありがとう、嬉しいぜ、名前」

その優しい声でさえ、顔色が分からない今、どの感情で捉えればいいか分からない
そしてまた顎を持たれて、次は優しいキスをされる
啄むようなキスを何度も何度もされる
それと同時にプツプツとシャツのボタンが外されていった
その音一つ一つが、心臓をまた高鳴らせた

「名前、パンツを脱いでくれないか?」

また耳元で囁かれる
私は逆らうことはできず、恥じらいながらも下着に手をかけてそっと下ろした
するすると足を伝っていく下着は、抜けると傍に置く

「ありがとう」

そういうと突然肩を押され、簡単に体が倒れていった
驚いた束の間、ふわっと下半身が浮いた

『えっ、やだ、ちょっと、カラ松!』

足をどこかに乗せられ、完全に下半身が浮いていた
必死に重力で捲れるスカートを抑えるが、あっけなく振り払われてしまった
するすると捲れて行くスカート

「・・・期待してたのか、名前」

息がダイレクトにそこへかかってきて、やっと自分の体勢を理解した
カラ松の肩に足を乗せられている、しかも吐息が秘部にかかるほどまじまじと見つめられている

『っ、して、ない・・・』
「今は嘘をつかない方がいいぞ」

そういうとつーっとなぞられる
びくっと体が震える

「一撫でしただけなのにこんなにも溢れてくるぞ」
『そんな、とこで・・・ッ、喋んないで・・・ッ』

吐息が掛かり、声の振動が伝わる

「それは失礼した」

そういうと突然、ぬるぬるしたものが触れた
不規則に動くと吸い付いた
舌が、這っている
思わず手で口を抑える

『ッ、んんッ、ぁッ、ッ、ふっ・・・』

時々わざとらしくリップ音を響かせ、音を立てて舐める
私は必死に上半身をくねらせ、快楽から逃れようとする
頭で想像してしまう、いつもよりも鮮明な音と共に
その想像のせいでさらに、興奮してしまう

『ッ、ぁッ、んっんンッ、ゃぁ・・・ッ』
「やだじゃないだろ、こんなにも濡れてるのに」

そういうと中へと何かが進入してきた
うねうねと動くそれはきっとカラ松の指だ
あちこちをかき回し引っ掛けるように押す

「どんどん溢れてくるぞ、えっちいな」
『い、わないで・・・ッ、そんな、ことッ』

唇を噛んで声を押し殺す

「唇を噛むのは駄目だ、傷がつくだろ」
『だ、って・・・ッ、み、んなが、ぁ・・・ッ』

長くて太い指はどんどんと奥まで入ってくる

「・・・実はな、もう皆に見られてるんだ」

・・・え?

「今も、少し離れたところで名前を見てる」

・・・え?、なに、いって

「少し不本意だが、俺の名前だということを知ってほしくて
皆には見てもらってるんだ」
『そ、そんな、』

さぁっと血の気が引くのが分かった
いつから、見られて・・・?
それでも脳内で映像が作成されてしまう
5人の兄弟が、立ち尽くして私達を見ていて
しかも、今、こんな、格好で、
私は、こんなところ、舐められて・・・

「・・・興奮してるのか?さっきより、締め付けが強いぞ」

それにさっきよりどんどん出てくる、
カラ松の指をぎゅうぎゅうと締め付ける中は、私の意志を反して反応してしまっていた

「だから、声を抑える必要もないんだ もうばれてしまっているからな」

思えばさっきよりも声が近い気がする
きっと近くでこそこそと私の事を話しているんだ
こんな格好して、よがってる私の事を

『ッ、い、いやぁッ、あぁッ、ンッ、んぁっ ひゃあ』
「見られて興奮するなんて、変態だな名前は」

艶やかな声で笑うカラ松

『こう、ふ、んっ、ぁッなんて・・・、してない・・・ッ』

息がどんどんと上がる
じわじわと迫る快楽
するとその時

『ッ!!!!』

びくんっと体が跳ねる
中がきつく締まった
胸を上下させて息をしていると、下半身が下ろされた

少しの静寂
その静けさが全ての音を鮮明にさせた
私の息の音、時計の針、テレビの小さな音、こそこそと話す声
カラ松の音が、聞こえない

『・・・か、らまつ、からまつ、カラ松ぅ・・・』

すがるように手を伸ばしてカラ松を探す
空中を彷徨う手は何も掴めない
目が見えない今、音で探しても見当たらない彼
一体、どうしたら掴まえられるのだろうか
心が急に淋しくなったとき、その手を大きな手が覆った

「どうしたハニー、俺はここにいるぞ」

甘い声がまた戻ってきた
その声に思わずホッとしてしまった

『カラ松・・・、ごめんなさ、い、もう、許して・・・ッ』

じわり、と布が湿る
涙が、溢れてきた
声で分かったのかカラ松は目元を触った

「泣いてるのか?」
『もう、悪いこと、しないから、
愚痴、なんて、言わないから・・・ッ』

・・・・ん?

「・・・ハニー、今、なんて?」
『私が、誘われて、呑みに行った、ばっかりに、
愚痴を、言ってしまった、ばっかりに、カラ松、怒らせて』

・・・・・・・・・ん????

『もうっ、カラ松の、夜の、愛の言葉が痛いとか、言わないからぁ・・・ッ
だから、おねがい、ゆるしてぇ・・・』

んん〜〜〜〜〜〜???

カラ松は一気に頭の中がこんがらがった

「(待て待て待て、おそ松が言ってたのは
名前に突然呑みに誘われて行ったら口説かれたって話で、
愚痴って、誘われたって、えっえっ・・・)」

ハッと気付くカラ松

「(あいつ・・・嘘か・・・・・・)」
頭を抱えるカラ松

あいつ殺そう・・・
でも、だとしたら、名前は本当に何も分からないで、勘違いして
俺は一方的に怒りをぶつけて、怖がらせて・・・

「あああああああすまないハニー!!!!」

ぎゅうっと抱きしめられて驚く
『ッ、えっ、な、なに・・・っ??』

「俺の勘違いだったんだあああ、怖がらせてすまないいい」

カラ松の声の大きさに驚きを隠せず、思わず涙が引っ込む

「それに愛の言葉が痛いことに気がつかなくてすまないハニィィィィ」

逆においおいと泣くカラ松
あっ、それは無意識だったんだね
私を抱きしめ、泣くカラ松の頭を撫でた

『・・・カラ松、もう、大丈夫だから・・・だから・・・』
『顔、見せてほしい・・・顔が見たいの・・・淋しいよ・・・』

小さな声で呟くとカラ松はピクッと反応した

「・・・怒らないか・・・?」
『え、う、うん』

そういうとカラ松は私の目もとの布を剥ぎ取った
光が瞼を透かして入ってくる
眩しさでゆっくりと瞼を開けると、そこは

『・・・ここって・・・、』

辺りを見渡すとそこは、松野家ではなく
広い部屋に、大きなテレビ
私達は大きなベッドの上にいた

「・・・ラブホだ」
『・・・思えば、布団よりもスプリングが・・・』

道理で跳ねると思った
見てみると、どうやらテレビの音の声が話し声に聞こえたらしく
松野家兄弟の姿はどこにもなかった

『・・・嘘、だったの?』
「・・・本当にすまない」

まさか俺の勘違いだったなんて、とカラ松の顔が曇っていた
私も驚きはしたが、今はそれよりも
顔が見れた、という安堵感のほうが強かった
私は俯くカラ松の頬に触れた
ふ、と私を見るカラ松
涙目の顔に思わず笑みを浮かべた

『迷わずカラ松に触れられる』

そしてそっと唇を重ねた

『・・・私は、カラ松が大好きだから離れたりなんかしないよ』
「名前・・・」
『だから・・・、私から離れないでね』

ふっと微笑むとカラ松もつられて微笑んだ

「もちろんさ」

その笑顔と声が、やっと一致する
ああ、やっぱり

『やっぱり、カラ松の声を聴く時はカラ松の顔を見ていたいな』

だからこういうこともうしないでね、とカラ松を抱きしめた

「す、すまない・・・」

目の前に広がる世界に、孤独感から解き放たれた気がして安堵していると

「・・・名前、続き、していいか・・・?」

ぽつりと呟かれた言葉
声に思わず体が震える

『・・・いいよ』

抱きしめた腕を放し、瞳が合う
お互いそっと目を閉じて、唇を合わせた
音をたて、ゆっくり舌を絡める
ぐっ、と先端が触れ合う
口が止まり、入ってくるリズムで声が漏れる
カラ松の吐息が耳にかかるたびになぜか反応してしまう

「ッ、名前・・・ッ、締めすぎだ・・・っ」

ぎゅうぎゅうときつすぎるほど締めつけてくる

『だ、って、カラ松の声、聞くと・・・反応しちゃって・・・』

すると中で大きくなるのが分かった
握ったカラ松の手に力をこめた

『ああっ、な、んで、おっきく・・・っ』
「今のは・・・ッ、名前が悪いッ、動くぞ・・・ッ」

そういうとゆっくり動き出す
徐々にスピードは増して、奥をごんごんと突かれる

「んっ、ぁ、はぁ、名前、ぁあ、はぁはぁ、名前・・・ッ」

吐息混じりに耳元で名前を囁くカラ松
その声を聞くたびにきゅうきゅうと締まる中にきつそうにする

『ああ、ッ、あっ、んぁ、ん、ふっ、ッぁあっ、か、ら、まつぅ・・・ッ』

愛おしそうな目で私を見つめる、男らしい顔
艶やかな声によく似合う、艶やかな顔
久々のそれは記憶よりも大きい気がして、
あんなに億劫だった行為さえ今では浸ってしまっている
(こんなものだったのだろうか、最初から)
カラ松の呼ぶ声、囁く言葉、吐息、すべて恥ずかしかったのに
今では、私の起爆剤でしかない

「、名前ッ、名前・・・ッ!、」

ピストンが早くなる、私もふつふつと何かが込み上げてきた

『からまつ・・・っ、イく・・・ッ!!!』

どくんっ
背中が仰け反ったとほぼ同時に中で脈打つそれは生温かいものを放った
随分と長くどくどくと注がれた液体は、ゴムが膨れるたびに中を刺激した
ぴくぴくと震えているとカラ松は優しく髪を撫でてキスを落とした

「名前・・・アイラブユー・・・」
『・・・ふふ、それは痛いよ、カラ松』

ずるっと抜くとぱんぱんに膨れたゴムが出てきた
私は体を起こすと、するりとカラ松の頬と私の頬を擦り合わせた

『私も、愛してるよ』

瞳を見つめて笑うと、カラ松は幸せそうに満面の笑みを見せた
ぎゅうっと抱きしめてくるカラ松

「セラヴィー!!!」
『わぁっちょっと!カラ松!』

そういうとまた二人はベッドへと倒れていったのであった
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