(( 刀剣の躾 ))




寝間着の帯を解いて白い肌を見せる主様に、長谷部は膝の上で拳を握ったまま静かに喉を鳴らしました。布団の上でこうして肌を曝すときがどんなときなのか、幾度と行為を重ねている長谷部はきちんと理解しています。主様は寝間着をはだけさせると、長谷部に向かって脚を差し出しました。

「舐めなさい」

長谷部は言葉を聞いた途端、意味を理解する前に手を伸ばしていました。こんなに魅力的な御御足を舐めさせていただけるなんて、我慢ができません。両手で丁寧に足の踵を持ち上げると、甲にキスを落とします。

「っ…」

長谷部は浅く息を吸いました。滑らかな主様の肌が、今は、今だけは自分だけが独占できるのです。これがどんなに嬉しいことなのか言葉では言い表し難いので、それを行動で示すことにしています。長谷部は舌を覗かせ、先端を少し尖らせて肌に滑らせました。指の先まで唾液が垂れます。甲から指まで丁寧に何度も往復し、長谷部は興奮が隠せなくなってきました。正座をしたまま上半身を倒して主様の足を舐めていますがこの体勢がなかなかきつく、熱が籠って上を向いているそれが当たるのです。長谷部は興奮をなるべく抑えるように浅い息を繰り返しますが、全くの無意味です。静かな夜更けに長谷部の息遣いが響く一室で、主様はその可愛い犬を愛おしそうに見下ろしていました。
長谷部は次に、指を舐めることにします。はしたなく大きな口を開けて舌を出し、平たくしたそれで指の裏を嬲りました。べろべろと犬のように舐めるものですから、主様の指と指の間には長谷部の唾液が糸を引いています。長谷部は口を窄めて指を咥えると、口の中でもまた舌を動かして懸命に愛撫を繰り返しました。長谷部は主様を見上げますが、主様は息一つ乱さずにじっと長谷部を見つめるだけ、それよりも自分が足を持ち上げている為に主様の下着が見えてしまっていることに気が付きました。何とも絶景、長谷部は更に熱を熱くさせ、息を荒くしました。一本一本指を口に含みながらその視覚的暴力に耐え抜きます。長谷部の熱は爆発してしまいそうで、布を纏っているのですら鬱陶しいくらいに窮屈な思いをしていました。

「あるじ…っ」

長谷部は主様の足の裏を舐めながら吐息を漏らします。主様はにっこり微笑むと、その従順な長谷部の頭を優しく撫でてやります。

「よしよし、上手ね」
「主、主、っ」
「じゃあ御褒美をあげないと」

長谷部の目が輝きます。舐めたくて舐めたくて仕方ない場所はこの綺麗な脚の付け根、そしてその中心にあります。主様は脚をゆっくり広げ、少し湿った様子の下着を長谷部に見せつけました。

「あ、主…っ」
「御褒美は何だと思う?」
「それは、その…」
「ふふ、可愛い」

主様は腰を浮かせると自分で下着を下ろしました。その瞬間に籠っていた雌の匂いが長谷部の鼻腔を刺激し、待ちきれないという様子で主様を見上げます。

「ほら長谷部、舌を出しなさい」
「あ、主…」

主様はにっこりと笑って長谷部に脚を差し出します。

「こっちの指も舐めさせてあげる」

長谷部は、えっ、と声を出してしまいそうになるのを必死に堪えました。もっと違う場所を、主様が女になる場所を舐めたかったのです。なかなか舐めない長谷部の唇を、主様は足の親指でつつきます。

「どうしたの長谷部、御褒美よ?もしかして嬉しくない?」
「っ、いえ…」
「そう。早く口を開けて」

長谷部はおずおずと口を開くと、たっぷりと唾液を乗せた舌で主様の指を愛撫します。嬉しくないわけではありません、主様の肌を舐めさせていただけるなら何処だって勿論嬉しいのですが、目の前でこんなに雌の匂いを嗅がされて、長谷部は我慢の限界なのです。ギリギリのところで理性を繋ぎ止めて舌を動かし、自分の痛いほどの熱に目を瞑りました。主様はそんな様子を楽しそうに見つめます。

「あ、ん……長谷部」

主様が気持ち良さそうに吐息を漏らすので、長谷部はハッと顔を上げます。すると主様は自分の指で赤い突起を弄っていたのです。てらてら光る透明の露は秘部から流れ出てとても美味しそうで、長谷部は思わず口から指を出してしまいます。今すぐ舌を突き出してむしゃぶりつきたいそれが、目の前で長谷部を誘惑しているのです。

「あ、あるじ…っ」

長谷部は我慢ができません。主様の太股を強引に持ち上げると、何とも美味しそうな穴がひくひく収縮しています。誘うような開閉を繰り返すものですから長谷部もうっかり顔を近付けてしまいますが、主様は抵抗もしないまま、長谷部、と彼の名前を呼びました。

「止めなさい長谷部」
「っ、はぁ…っ、は、」
「言うことが聞けないの?」
「い…え…っ、はぁ、おれ、っはあ…っ、もうしわ、け、ありませ、…」
「いい子ね」

長谷部が顔を離すと、布団には主様が溢した露が落ちて、濡れていると気づきました。こんなものを見せられて尚焦らす主様は意地悪ですが、主命は絶対なのです。長谷部は理性を取り戻し、再び主様の指を咥えました。

「あっ、ん、ん…」
「っ…主…」
「いい子ね長谷部、あ…、そう、もっと舌を遣って…っは、ぁん」

主様は長谷部に指を舐めさせながらくりくりと突起を触り、熱い吐息を漏らします。ますます強くなってくる雌の匂いに長谷部は目眩がしそうでした。拷問とも呼べるような長い時間に長谷部は額に汗を浮かべます。

「は、あ…っはせべ、ん、んあっ、じょうず…」
「んん、む、ん…」
「あんっ…あ、そう、あぁ…っ」

主様の美味しそうな露がとろとろとお尻に流れ、長谷部は目を細めます。今すぐに熱を捩じ込んでしまいたいのを必死に堪えて指を舐めるしかないのですから、懸命に舌を動かしてしゃぶっていくのです。それを更に煽るように、主様はなんと自分の指で秘部をなぞりました。

「長谷部、ここに挿れたいんでしょ…?」
「あ、あ…っ、いれ、いれたいですっ、はぁっ、あるじっ、」
「まだ“待て”よ、いいわね?」
「そんな…っ、主、おれはもう…っ」
「“待て”よ」

主様は意地悪く笑うとその指に露を絡め、中へ指を埋めていきます。スムーズに指を飲み込むそこはやはり魅惑的で長谷部は泣きそうになりましたが、今は指を舐めることしか許されていないのですから仕方ありません。舌を出して指を舐め回し、懇願するように主様を見つめます。

「主、主…っ、」
「あんっあ、あ、はせべっ、あん…っ、ここ、すごいわ…っ」
「はあ…っ、主、これ以上焦らすのですか…っ」
「ふふ、その方が、あん…、興奮するのは誰だと思ってるの…?」

主様はゆっくり指を出し入れして内壁を擦り、長谷部に見せ付けるように大きく脚を開くのです。長谷部は自分の熱すぎる熱に耐えかねて自分の下腹部を押さえました。

「あるじ…、貴女は、酷いお人だ…っ」
「出しては駄目よ、長谷部が達していいのはわたしの中だけなのだから」
「それでは、それでは…っ、早く主の中へ招いてください…っ」
「せっかちね、そんなに入りたい?」

主様は指を引き抜き、粘度の高い汁を纏ったそれを長谷部に舐めさせます。濃い雌の味に長谷部は必死にむしゃぶりつき、べろべろ舐め回して味わいました。熱の籠った炯眼で主様に視線を遣り、主様もその焦れた熱を感じ取ります。

「主、俺は早く繋がりたいです…っ」
「なんて顔してるの、わたしを食べてしまう気?」
「っ、いえ、そんな…」
「ふふ、長谷部になら食べられてもいいかしら」

主様は長谷部の顎を持ち上げてキスを贈ると、自分の上へ導きました。首へ腕を回して長谷部の耳許へ吐息を吹き掛けます。

「ねえ長谷部、優しくするのよ…」
「あるじ…っ」
「あっ、う、ばか、優しくってぇ…っ!」

長谷部は主様の誘いを受けて我慢を重ねた熱で主様の肉壁を掻き分けるように自身を埋め込み、きゅうきゅうとおしゃぶりをしているように蠢く膣内に息を飲みました。熱くてトロトロで、厭らしい穴。一気に奥まで貫くと、もう既に長谷部の形を記憶している中を堪能します。主様は長谷部をしっかり抱いたまま喉を反らしました。

「あ、あぁあ…っ、はせ、べぇ…っ」
「あるじっ、はぁっ、は、あ」
「あん、あ、もっとゆっくり…っあっ、こら、はせべ、ぇ」
「もうしわけ、ありません…っ、もうおれ、俺、とまれないかもしれません…!」
「な、なにいって、あんっ、あっや、やぁっあ、だめっあっ」

がつがつと奥を叩く長谷部も何時もよりずっと熱く、質量も増しています。抱き締め合いながら腰だけを器用に動かしてお互いの熱を貪りました。

「あっあるじ、一度、っ」
「な、に、っやあ、あ、あんっ!」

出します、なんて言い切らないうちに長谷部は主様の中で勢いよく射精をします。膣内の熱が一気に上がり、主様も不意打ちでびくびくと痙攣するのですが、長谷部の腰は止まりません。射精しながらもがつがつ腰を遣って熱を貪ります。

「っあ、ゃあ…っうそ、とまっ…っはせべ、とまって、ぇ」
「止まりません…っ主、御許しください、きもちよくて、止まれないのです…っ」
「だめ、だめぇっ、はせべ、あっん、わたしいま、いって、」
「はぁ…っ、解って、います、中がすごい締め付けで、く…っ、申し訳ありません、っ」
「や、あ、あやまるなら、っ、とまりなさいよお…っ」

恥骨に引っ掻けるようにごりごり刺激して擦り上げる長谷部はきちんと女が悦ぶ場所を把握していて、主様は嬌声を堪えるように長谷部に縋り付きます。襖一枚向こうには直ぐ廊下があるというのに乾いた音を立たせて腰を振るのを止められません。獣染みた性交渉はこれで何度目か数えきれませんが、毎度こうして彼の熱に溺れさせられ、最後まで躾ができないのです。びゅるるっ、と中に再び熱を注ぎ込まれ、主様は長谷部の熱が引き抜かれることに安堵してきつく閉じていた目を開けますが、直ぐにそれを後悔します。長谷部は息を乱しながら、雄の顔をして主様を見下ろしていたのです。

「あ、あ…、はせ、べ」
「もう一度よろしいですか…」

二度も出したのに全く萎えず、ビキビキに反り勃った固いものを握り、長谷部は容赦なく主様の身体を起こします。達したあとの無力な体ではそれらしい抵抗もできず、されるがままにうつ伏せになると、長谷部は主様のお尻に熱を擦り付けました。

「主…よろしいですか?」
「だ、だめよ、待って長谷部っ、」
「“待て”は終わりでしょう?」

長谷部は主様の声も聞かずに自身を挿入し、ぐっぢゅぐっぢゅと下品な音を立てながら中の熱を擦ります。主様は舌を突き出して酸素を貪りますが、長谷部の激しい熱で声を抑える余裕はありません。
その後も長谷部の気が済むまで身体を好きにされてしまい、長谷部に“御預け”は無理なのだと思い知らされました。


END
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長谷部は絶倫イメージです。審神者さんも苦労しますね。名前様、お付き合いありがとうございました。
20161111
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