「フラーン」
「あ」

ノックもなしにガチャッと開くドアを見て、彼はしまったと口を開いた。今日は幻術の練習をするからむやみに部屋に入るなと他の皆には言ったが肝心の彼女には言うのを忘れてしまったからだ。彼の隣でうねうねと蠢く紫色の物体に彼女は動きを止める。

「…何それ」
「あー…センパイ、空気読んでくださいよー」
「え、っていうかそれこっちに来て…うわっ!?」

彼女が声を発するとそれに反応して紫色の物体がそちらに這っていった。無数の触手を彼女の手足に巻き付け、ずるると中へ引きずっていく。
彼は諦めたようにため息をついた。




(( 変態師匠 ))




ぐるぐると彼女に巻き付く触手を見て、彼はごくりと喉を鳴らした。

「ちょっ…ん、ふら、っあ」
「センパーイ、先に謝っときますー。ごめんなさいー」
「何、言っ…あ、待っ、あ、あぅ」

ねっとり糸を引く紫色の物体。グロテスクで気持ち悪いはずなのに艶めかしく彼女の服の中に侵入した。彼女はびっくりして抵抗しようとするが手足も触手によってぐるぐる巻きなのでそれもできない。

「ふらん、なにこれ、っ」
「ミーもよく分かんないですー。師匠にもらったボックスなんですけどー、開けるの今日が初めてでしてー」
「なっ、にそれ、あっ、ちょっと、こいつ止めて…っ」
「止められないんですよー。こいつ満足するまでボックスに戻らないらしくてミーの炎無理矢理引きずり出して動くんですー」
「じゃあどうやって、あっ、操ってるのよ!」
「なんかー、…ミーの考えたことに忠実に動く奴ですー」
「はあっ!?」

じゃあやめさせなさいよ、と言おうとした彼女の胸に触手が絡み付いた。頂きをきゅうきゅうと細い柔毛で締め付けられると彼女も抵抗をやめてびくびく身体を震わす。

「あっ、あぅ、ふらん、やだぁ」
「ミーだってやめてあげたいんですけどー、こいつミーの邪念にしか反応しないんですー」
「っ、あっんん、なにそれぇ」

少し太めの触手の先がバカッと開き、頂きを包み込んだ。中では頂きを強く吸われ、彼女は喘ぎを大きくする。

「だからー、例えばですけどー、センパイが触手にいいようにされてイかされまくってたらえろいんだろうなーって思ったりー、散々焦らして泣かせるものいいかもって思ったりー、そういう邪念をチラッとでも持てばそいつはそれを実行するんですー」
「ふざけな、いでよ、あっあんだめ、ああはぁっ」
「センパイごめんなさいー、申し訳ないお知らせがありますー」
「な、に、あっ、あっ!?これ、あ、う、っ」
「…ミー今最低なこと思っちゃいましたー」

彼は本当に申し訳なさそうに、でも欲情した目で彼女を見つめた。その彼女はまだ胸しか弄られていないのに涎を垂らしながらびくびくと身体を跳ねさせている。

「あっ、ああん待っ、や、あつい、からだが、あんあついぃああっ」

戸惑う彼女を見て彼は思わず冷や汗をかく。

(センパイつらそう…あの触手から垂れてるぬるぬるの液体がもし催淫効果を持ってたらなんて考えちゃいましたー、なんて口が裂けても言えないですー…)

乱れる彼女をもっと見たくて、彼は目を細める。彼の意図が分かったのか、触手は彼女の脚を開かせ、下着の中へと侵入した。

「あっ、あっだめそこは、ああんまってふらんあっあっはあんやだぁ」
「イケナイ後輩でごめんなさいー…」

下着の中からぷっくり存在を主張していた芽を無数の触手が攻め立てる。細くてぼこぼこしているそれにあらゆる方面で刺激され、さらに追い打ちをかけるように太い触手がその上にドロォっと体液を零した。彼の邪念のせいでそれは催淫効果を持っているわけで。

「あっあっうそまってふらんああんもうだめぇやなのにあっああん!」
「うっわー、センパイえろえろですねー…」
「あっ、ああはぁあ、っん!んんんー!」

びくびくっと痙攣する彼女の身体。彼女のナカからあふれる愛液が下着に染み込み、絶頂を迎えたということが分かった。それなのに攻め立ては止まない。

「あっああ、まって、まっ、ふらん!いってう、いってうのにっ!あっ!あはあ!」
「イき狂ったセンパイ見たいなんて思ってません思ってませんー」
「あっうそ、さいて、あっはあ、あっあっあーっ!」

びくびくっと2度目の絶頂。太ももの痙攣が止まらない。下着の中でぐちゅぐちゅと動きにくそうに蠢く触手は彼女に休む暇も与えてくれない。

「や、やらぁ、やらのぉ、ふらんまってしんじゃう、きもちくて、ああんへん、っあ、あぁあ」
「センパイ呂律回ってないですー。ミーを煽ってどうするんですかー」
「ちがっちがうのぉ、あっはあしんじゃううぅ」

いやいやと首を振るのに彼女の腰はがくがく動いている。彼の邪念はさらに働き、触手は彼女のナカへも侵入を始めた。

「あっ、あう!?そ、こは、あぁん、ん、んっあ、」
「センパイって淫乱だったんですねー」
「ち、ちがうのぉ、わたしこんな、やっらめえ、やらぁああ」

ぐぷぐぷと音をさせて触手からは大量に体液が流れる。彼女のナカへそれを注がれるとナカが熱くなりとろとろに熟れてくる。じゅん、と下着に愛液を染み込ませる彼女は腰を揺らしながら触手を誘い込んでいた。

「ふら、なん、で、これナカ、はいらない、の?」

大量の触手の体液で羞恥心がなくなったのか、快感を欲しがる彼女の目は熱を帯びていた。

「挿れてほしいんですかー?」
「んっ、うん、挿れ、て、あっあっもう、待てな、あっあんっ」

まだ焦らしていたい思う彼だが、一瞬だけ奥をガンガンに突いて乱れさせたいと思ってしまった。すると触手は目敏くそれを察知して一気に奥まで侵入した。太い触手が1本、その隙間を細い触手が埋めるようにどんどん入っていく。

「あっひゃあんんっきもちいっきもちい、あ、あうー!おくぅ!あっ!あっはぁ!」
「あーあ、トンじゃってますねー…」
「ごりごりしてうぅっあっあっあっあっあぁんいい!」

ガンガンと奥を突き立てる触手に涎を垂らして喜ぶ彼女。太ももは痙攣したまま、爪先はピンと伸ばされてびくんびくんと動くたびにイッているようだった。まるで薬をキメているようによがりくるう彼女に彼は苦笑い。
刹那、プシャアァッと音がして辺りに少し白く濁った液体が飛び散った。彼女の目はもう焦点が合っていない。

「潮まで吹いちゃって…センパイ生きてますー?」
「あっが…っくる、し、あ、あうっ」

潮を吹いてまでなお高速ピストンを繰り返す触手に、彼はもういいと念じる。ボックスの持ち主が心底満足していると終わってくれるのだが、その触手は終わらなかった。

(あぁもう名前センパイ、本当にイケナイ後輩で申し訳ないですー)

彼の望みは1つ、熟れた彼女のナカへ突っ込みたい。それが達成しないとどうやらボックスへは戻らないらしい。その証拠に触手は彼女のナカからいなくなった代わりに、下着を器用に剥ぎ取って、筋に沿ってナカを見せ付けるように左右にそこを開いて彼に挿入を促していた。にちゃあ、とやらしい音と共に大きく引っ張られて少しだけナカが見える。ナカは糸を引きながらひくひくと痙攣していた。

「センパーイ、ミー入ってもいいですかー?」

我ながら最低な質問だと彼は思う。それでもこくこくと頷く彼女。

「ふ、らん、はやく、あっあんんー!」

涙でぐしゃぐしゃの顔で見られると彼は余裕もなくナカへ突っ込んだ。ナカは熱くてじゅくじゅくで解されきっている。あまりの柔らかさにハッと息を吐いてしょっぱなから激しくピストンをさせた。

「あっ、はあんふらん、あっあっきもちいのぉもっとあっあっんあっあっ」
「っ、煽らないでくださいー。ミーだってなかなか余裕ないんですからー…」

短い息を繰り返しながら彼女の髪を優しく梳く。ナカでどんどん質量を増やす彼に彼女は嬉しくなってきゅんきゅん自身を締め付けた。ぱちゅんぱちゅんと腰を打ち付け絶頂を近づけると、彼女は彼の背中に爪痕を残す。

「ふらっ、ふらん、あっ、イく、あっあうイく、ぅ、んっ」
「センパイ…あと少し頑張れますー…?」
「はっあっあっむりぃ、イく、イッちゃ…ああぅ!」
「う、あ…待ってくださいよー…っ」

びくびく蠢くナカで締め付けられたらその振動で出してしまいそうになる。彼女は何度目かの絶頂で疲れているのに彼のピストンは終わってくれない。

「く、るし、ふらん、っ」
「はっ…、ミーも、イきますー…」

ぎゅうううっと抱きつく彼女にきゅんと胸が鳴って、その瞬間どくどくと白濁を注いだ。奥の方でびゅるびゅると子宮を叩き、彼女はまた太ももを痙攣させる。その締め付けに最後の一滴まで搾り取られる感覚に陥り、彼は満足そうに彼女に口づけた。

長めの射精も終わり、萎えたそれをズリ、と引き出す。泡立った白濁がごぽっと溢れ出てきて彼は少しだけ頬を染めた。

「センパイ、すみませんでしたー」
「…悪いと思ってる、の?」

彼女は疲れてうとうとしているのにキッと彼を睨みつける。彼は困ったように項を掻いた。

「あのー…、ミー悪いですかー?」
「当たり前でしょ!」
「ミーは、ミーより師匠の方が悪いと思いますー」
「骸…?」

そういえばこのボックスは骸のだった、なんてぼんやり考える。確かに骸も悪い。悪いが、使い方によっては良いボックスかもしれないのに彼はこんなことに使って。

「…騙されないよフラン、あんたが悪いの」
「げろー」

うとうと、意識が遠のく。ゆっくり目を閉じる彼女は、最後にそう言って眠りについた。


(師匠はこのボックス何に使ったんでしょうー?)


END
--------------------
変態の弟子はやっぱり変態だという法則。すみませんでした。フランはこんな子じゃないと信じています。もっと純粋な子だと信じています。もちろん骸はこのボックスをやらしいことにしか使っていません。名前様、お付き合いありがとうございました。すみませんでした。
20120730
(  )
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -