ザンザスが相変わらず頭をなでなでしてくれるのをちょっとだけ目を細めてうっとりしてると、ザンザスがそれに気づいたのかほんの僅かに口角を上げる。

「眠ぃか」
「ううん…ちょっと気持ちいいだけ…」

でも頭を撫でられるのがあまりにも心地好いからつい目を閉じたくなる。閉じたら意識も持ってかれるだろうから閉じないけど。この心地好さには名残惜しいけど、私は頭を撫でるザンザスの手に自分の手を重ねた。

「ザンザスの手、ほんとおっきいなぁ」

それから私の頭の上からずらし、ザンザスのお腹の上に乗せる。手を重ねて比べてみたらまるで私がすごく子供のよう。確かに年齢差や男女差はあるけどさ、それでもこの大きさの違い、ちょっときゅんってする。

「あ、ザンザスは何でもおっきいか」

身長のことを思い出してそう呟くと、ザンザスはあいてる片手で自分の額に手首を当てながら私に視線を寄越した。お腹にある手の方は、私がまだ触れたまま。赤ちゃんがやるみたいにザンザスの人差し指を握ってみたら長くてごつごつしたそれにまたきゅんってした。指までえろいなんてずるい。こんなえろい指で触れられたら私までえっちになって当然だよ。昨日の行為を思い出すようにそう思ったら何だか顔が熱くなった気がして、ザンザスに見つからないように顔を下げた。

「ザンザス、指かっこいい」
「あ?」

人差し指を離して今度は恋人繋ぎでもするように、ザンザスの指と指の間に私の指を絡めてぎゅうっと握った。ザンザスは無反応。

「ふふ、なんかもう、好き」

にやにやと幸せを噛み締める。ヴァリアーでこんな優しい手を知ってるのは私だけなんだろうな。ときに強引で、ときに意地悪で、ときにえっちで、でも最後は絶対優しい、ザンザスの手。そう思うと口元がなかなか締まらない。ザンザスもフッと口元を緩めた。

「何訳分かんねぇこと言ってやがる、カス」

ですよねー。


(( 指と指とを絡ませる ))
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