散々甘えたからそろそろ起きようと思って、びっくり。私もザンザスも裸だった。そっか、昨日、あのまま寝ちゃって……。ボンッと音がしそうなくらい私の顔が真っ赤になる。目敏くそれに気づいたザンザスが呆れるようにこちらを見た。

「今さら何照れてやがる」
「そ、そうなんだけどっ」

たいして恥ずかしがることもなくザンザスはベッドを出てシャワーを浴びに行った。ザンザスが出てきたところでバトンタッチ、今度は私がシャワーを浴びる。お互い朝には弱いからだらだらしちゃうんだけど、私がシャワー終わって出てきてもザンザスは上半身裸だった。

「ザンザス、早く服着なさい」
「るせぇ、それよりてめぇ、その格好は何だ」

シャワー終わった私は自分の服だと思って持ってきたシャツを着て、びっくり。手が長すぎて、爪先が終わってもまだ続く袖を見て初めてザンザスのと間違えて持ってきてしまったことが分かった。下は穿かなくてもいいくらい長いワンピース状態。何だか悔しいがその格好で登場した。

「これ、ザンザスの着ちゃった」
「…ぶはっ」

だぼだぼすぎてオバケみたいになってたのが面白かったのか、ザンザスは少しだけ笑った。ザンザスの元へ行くとシャツをちろりと捲られる。

「ちょ、わっ」
「下穿いてねぇのか」
「う、るさいな、見ないで!ザンザスも上着てないじゃん!」

ムッとして傍にあった畳まれたシャツから黒いシャツを取ってザンザスに無理矢理着せる。ほらバンザイして、と言うと素直に従っててちょっと、いやかなり可愛い。

「てめぇもこれだけ穿いとけ」
「え?あ、そうだよね」

ザンザスも傍にあったショートパンツをつまんで、私が穿きやすいように広げる。素直に足を通したらするする上に持ってかれて、ご丁寧にチャックまで閉めてくれた。なんか、着せ合いっこってザンザスに似合わない。でもそこがまた可愛いっていうか。
クスッと笑う私に、ザンザスは不思議そうにこっちを見ていた。


(( 着せて。履かせて。 ))
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