今日の任務は久々にやらかした。気を抜いてたらやられた。太ももざっくり。いってー、これでも嫁入り前の乙女の体だぞ!最悪!
痛すぎて泣いた。傷自体深くないってスクは言ったけど、なんだかんだ今まで守ってもらったりしてて怪我なんかしたことなかったから、びびって泣いた。痛いしショックだし涙止まらない。これ治るのかなぁ、ルッス姐に治してって頼みに行こうかなぁ。でもその前にベルのところ行かなきゃ。ベル、私の帰り寝ないで待ってるって言ってたし。
ガチャッ
「うわああんべるぅ」
私は泣きながらドアを開ける。ベルはナイフを磨いてるところだった。
「あ?」
「いたい…うっうっ…これ、いたいよぉ…っ」
私は片足でぴょこぴょこ歩きながらベルの許へ行った。痛くて歩きたくなかったけど、ベルによく頑張ったなって頭撫で撫でしてもらいたかったから頑張った。でも、近くに行くとベルは私の涙を拭うこともしないで血が滲んだ私の太ももを凝視した。
「…名前」
「ふぇ、え…っ」
ベルはごくりと喉を鳴らす。それから太ももにすらりと長い指を滑らせた。ひりひりするからやめてよぉ。
「雑魚にヤられたんだ?」
「う、ざこじゃ、ないもん…っ」
「こんくらいの傷なら雑魚だっての。痛かった?どんぐらい泣いた?」
「いた、いよぉ…っぐす、いっぱいないたぁ、っ」
「ふーん」
ベルの手は傷口の付近を行ったり来たり。ひりひりする。痛い、もっと涙出る。そんなことしてないで早く頭撫で撫でしてよ、ぎゅーしてよぉ。そう思うのにベルはまたごくりって喉を鳴らした。
「名前、」
「え、っあ」
ベルは太ももにあった手をつぅぅってあそこに移動させてきた。な、何考えてんの、うわあっ。
「…誘ってんの?」
痛くてろくな抵抗できない私を見てベルは口角を上げた。意味分かんないこの王子、どうしたらその結論に達するわけ!?
「さ、さそってなんか、っん」
「こんなに泣いちゃって、かんわいーの」
ベルはますます私の太ももに手を滑らす。傷口には触れないけどその周辺をすりすり。それでも痛いものは痛いし、涙だって出るよ。
「べる、それ、あぅ…っ」
「はー…、もう無理」
ベルは私のことを抱き上げた。
「ベッド行こ」
(( 「誘ってんの?」 ))
(
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