「会議の前にちょっといいかしらん」

ルッスーリアの言葉にボスが顔を上げます。幹部会議の資料はいつも分厚くて大体のことを忘れてしまいますが、読んだふりでもしないとどこかの鮫が煩いのです。ボスが資料を置くと他の幹部も同様に顔を上げてルッスーリアを見つめました。

「昨日は名前ちゃんをお風呂に入れてくれて助かったわぁ」

ルッスーリアの視線の先にはスクアーロがいました。その場の全員がピクッと反応します。スクアーロがお風呂に入れていたなんて誰も知らなかったのです。

「お、おぉ…」

いつも腹の底から声を出しているようなスクアーロは何ともか弱い声で頷きます。ベルとフランはその違和感に眉を顰めました。

「でもちょっと聞きたいことがあるのよね」
「なっ、ど、どうしたぁ?」
「名前ちゃんが、とぉっても気持ち良かったって言ってたのよ。さぞかし丁寧に扱ってくれたのよね」
「…」

スクアーロの目がぎょろぎょろと落ち着きなく動いています。ルッスーリアはそっとサングラスを押し上げました。

「本当に、洗ってくれただけなのよね?」

ボスの眉間の皺が深くなっていてスクアーロは恐怖の余り言葉が出てきませんでした。視線を逸らせばこちらを睨み付けているレヴィと目が合います。

「なっ、あ、そ、それはだなぁ…っ、」

だらだら汗が止まらないスクアーロが悲鳴を上げることになったのはこれから間もなくのことでした。



***



ボスはお怒りでした。名前ちゃんの部屋のドアを蹴破った時点でそれは分かっていましたが、一言も言葉を発さずにこちらを睨み付けていたので、名前ちゃんは死を覚悟します。眉間に寄った深い皺、怒りで燃えている深紅の双眼、口角の下がった口、そして、固く握られた拳。人を殺すときですらきっとこんな顔はしていないでしょう。

「おい」

ボスの喉から唸るような声が響きます。こんな低い声は聞いたことがない名前ちゃんは、可哀想に歯をガチガチ鳴らしながらボスを見上げていました。まだ幼い子をこんなに苛めるなんてあんまりですが、ボスだって余裕がないのです。

「ど、どしたの、ボス…」
「テメェ、どういうつもりだ」

ボスはずかずか名前ちゃんに近付いていきますが、名前ちゃんは声が出せずに顔を青くするだけです。目の前で止まったボスは屈みもせず、ただ名前ちゃんに影を落とします。

「テメェは俺のもんだろうが」
「え…あ…あの…」
「るせぇ、俺のもんなんだよ!」

吠えるように怒鳴られるとビクッと肩を上げて名前ちゃんは泣き出しました。ボスがこんなに怒っていて、殺気が凄いからです。名前ちゃんの怯える顔にまた苛々したボスは、その二の腕を乱暴に引っ掴み、自分の方へ引き寄せました。

「来い」

喉がカラカラに張り付いて名前ちゃんは返事ができませんでした。ボスにとって返事なんてどうでもいいのです。はい、でも、いや、でも、連れていくことに変わりはなかったので、何も言われない方が好都合。二の腕を引っ張ったまま歩き出すと、名前ちゃんは力の入らない小さな足を一生懸命動かしてボスに付いていきました。

予想はしていましたが、着いたのはボスの部屋。いつも通りの部屋ですが今日は部下もベスタもいません。ボスはまだ二の腕を離さず、部屋の奥の方へずかずか進んでいってしまいます。奥のドアを乱暴に開け、さすがにここまで入ったことがなかった名前ちゃんはびくびくしながら中へ入っていきます。

「あ……」

ここ、寝室だったんだ、と名前ちゃんは目を丸くします。大きいベッドが部屋の真ん中に置いてあり、サイドにローテーブルとソファがありました。ボスはやっと名前ちゃんから手を離すとジャケットを脱いでソファへ放り投げます。掴まれていた二の腕が少々痛みました。

「あ、あの…ぼす…?」

ここへ連れてこられた理由が分かっていない名前ちゃんはおずおずと言葉を発します。ボスの顔を覗き込むような上目遣いが大変愛らしいのですが、生憎それで絆されてしまうほどの生温い怒りではないようで、ボスはジロリと名前ちゃんを睨みました。

「ひっ」
「…テメェ、寝たのか」
「え?」
「答えろ、カス鮫と寝たのか」

寝る? 名前ちゃんは首を傾げます。昨晩はスクアーロとお風呂に入っただけで、寝る頃にはルッスーリアが帰ってきていたのでスクアーロとは寝ていません。答えようとするとボスはチッと舌打ちをします。

「セックスだ」
「せっくす」
「セックスをしたのか」
「せっくす?」

訳がわからない名前ちゃん、そもそもセックスという単語を初めて聞きました。ますます首を傾げる様を見てボスは再度舌打ちをします。

「あ、あの、ぼす、おこらないで…」
「寝ろ」
「えっ」
「服を脱いでそこへ寝転べ」

ボスは顎でベッドを指すと、自分もシャツを脱ぎ始めます。え、え、と戸惑う名前ちゃんですが、こんなに怒っているボスを見たことがなかったので逆らうなんて命知らずな真似もできません。もたもたする手を動かして、多少恥ずかしいですが服を脱ぎました。ぱんつだけになるとボスに言われた通りベッドへ寝転がります。

「う、わ」

ベッドはふかふかで、自分のものとは比べ物にならないくらい大きいものでした。大きなボスの体でも3人分くらいはある気がします。何だか自分がちっぽけに思えてきて名前ちゃんは真ん中にぽすんと寝転びました。肌触りも気持ちいいです。ボスは毎日こんなふわふわのお布団で寝てるんだあ。名前ちゃんはこのまま寝てしまいたくなるほどうっとりし、ベッドに頬擦りをします。しかし名前ちゃんのお昼寝は叶うことなく、ボスがその上に乗ってきました。ベッドが軋み、名前ちゃんの上に影ができます。名前ちゃんの体を余裕で覆い隠してしまうくらいの大きな体で、名前ちゃんは不安そうにボスを見上げました。

「ボス、な、なにするの?」
「…」
「ボス、」
「カス鮫にどこまでされた」
「え?」
「俺はそれ以上だ」

ボスは名前ちゃんの細い腕を押さえ付けると、首元にねっとり舌を這わせました。初めての感覚に名前ちゃんは思わず肩を跳ねさせます。熱い舌の温度を首筋で感じ、唇を使ってなぞられました。不快感ともいいませんが、気持ちがいいとも感じず、ただ体から力が抜けていくような、腰がぞわぞわするような感覚です。

「ふ、ぅえ…っ」
「泣くな」

知らないことをされながらボスが無表情なので余計怖くなり、名前ちゃんはまた目に涙を溜めていきます。ボスだって何だか知らない人のように思えてしまって怖いのです。ボスは名前ちゃんの目元にキスを落とし、左手で優しく頭を撫でながら右手は名前ちゃんの体のラインをゆっくりと撫で上げました。まだ未発達な体ですが男を感じようとぴくんと腰が跳ねます。

「…」

ボスはそのまま手を名前ちゃんの胸へ持っていきました。いつもボスの上で腰を振っている娼婦達とは全く逆で、僅かな膨らみの上に小さくてピンクの乳首が控えめに乗っているような胸でしたが、ボスはそれでも構いませんでした。女の扱いが少々乱暴なボスは、なるべく丁寧に名前ちゃんの胸を手で包みます。

「…?」

むに、むに、と優しく揉むと、名前ちゃんは何してるのとでも言いたそうな顔でボスを見上げました。揉まれたところで快感があるわけでもなく、行為の意味も分からないのでそんな顔をするしかないのです。ボスはそれでも暫くはむにむに触っていたのですが、そっと親指で乳首を撫で始めました。名前ちゃんはぴくっと体を捩ります。

「う、あ…っ?」

親指でなぶられるように揺らされると内側からじわじわ熱が出てくるような感覚に名前ちゃんは戸惑います。ボスはさらに乳首を摘まみ、名前ちゃんの反応を窺いました。

「やっ、やだ、ぼすっ」
「…」
「なんか、へんだからぁ…っ」
「るせぇ」

少しずつ固くなってきたそれを摘まんだり揺らしたり、ボスの指先だけで遊ばれて名前ちゃんは自分から出る声に驚きを隠せません。これでは昨日と同じです。

「あ、あん…っ、や」
「…」
「ぼす、あ、だめ、ぇ…」

両方の乳首を擦られるとどうしようもなく腰が跳ね、名前ちゃんはボスの胸板を押しますが、そんな力の抜けた抵抗はボスに通用しません。ボスは名前ちゃんのぱんつに指をかけると、何とも簡単にするすると脱がせてしまいました。

「や、ぼす、なにっ、」

ボスは答えてくれません。散々乳首を弄った手を下に降ろしてきて名前ちゃんの腰を撫でます。そして、名前ちゃんのクリトリスを親指で押しました。

「っあ、そ、そこは…」

昨日スクアーロに触られたところです。名前ちゃんはボスの胸板から手を離し、気持ちよさへの期待で抵抗を止めてしまいました。ボスはそれにますます苛つき、指で押し潰すようにクリトリスを虐めます。

「やあっ、あ、あんっ」
「ハッ、ガキのくせに覚えが早ぇな」

ぐっ、ぐっ、と力を込められると押し出されるように声が漏れました。すっかり気持ち良さそうに表情を蕩けさせ、両手でシーツを握ります。まだ未発達な体と不釣り合いな光景が逆にボスの興奮を煽りました。ずっとこうしてしまいたかったのを我慢してきたのです、今まで大事にしてきた分抑えがききません。少しだけ膨らんできたそこへ親指を引っ掻け、優しく皮を剥きました。真っ赤に主張するようなクリトリスがまだ小さいもので、そこを指でなぞります。

「ひ、い、いたっ」
「チッ」

まだ皮なんて剥かれたことのない名前ちゃんは急な刺激に腰を引いてしまいます。ボスは名前ちゃんの足を掴んで自分の方へ引き寄せると、名前ちゃんの脚の間に顔を埋めました。昨日もされた行為に名前ちゃんはびくっと体を揺らします。

「は、ぁ、それ…っ、」
「あ?」
「す、すくの、やつ…」

すくもやってくれた、きもちいの…。期待で目を濡らす名前ちゃんは子供とは思えないほど妖艶でボスは噛み付くようにキスをしました。名前ちゃんにこんな顔をさせてしまうほどイイ思いをさせたのは昨日のスクアーロだからです。ボスは舌で名前ちゃんの唇を抉じ開けると、舌を引き摺り出すように絡めとって深く熱を交わしました。スクアーロの感触を上書きするかのように熱く激しく熱を与えられ、名前ちゃんは必死にボスにしがみつきます。

「んっ、んん!ん!んーっ!」

声を出してもボスは止めてくれません。たまに隙間を与えて呼吸の合間を作ってくれますが、舌を擦られ粘膜を擦られ、唾液を混ぜるように何度も何度も舌を絡めるのです。名前ちゃんの舌も溶けるほど熱く熱を帯び、表情もトロトロになりました。唇を離すと名前ちゃんの口の中からボスの舌へ唾液が繋がっています。

「余所見すんな」
「へ、ぇ…?」
「テメェは俺のもんだ」

頭が回らない名前ちゃんは何が何だか分からないままボスを見上げます。ぼろぼろ出ている涙も紅潮した頬も唾液が垂れたままの唇も、全部自分のものにしたくてたまりません。ボスは再び名前ちゃんに脚を開かせると、皮を剥いたクリトリスを舌でなぞりました。

「あっ、ぁあ!?」

名前ちゃんは背中を反らします。昨日と比べ物にならない刺激で声も上擦るばかり。こんな気持ちいいものを昨日初めて知ったばかりなのに、それを上回る快感に息が吸えませんでした。ボスは皮が戻らないように親指で押さえつけたまま、名前ちゃんの唾液が絡んでる自分の舌でクリトリスを責め立てます。ぬるぬるした感触がクリトリスを往復する度に情けない声が止まりません。

「や、ぁあ、あ、ぼす、ぅ」
「…」
「ひゃめ、あ、あんんっ、や、あ…っ!」

十分にぬるついているので痛みはありませんが強すぎる刺激に腰はびくびく跳ね上がります。名前ちゃんはぼろぼろ泣きじゃくりながらシーツを握る手に力を込めました。

「やっ、へん、らめ、ぇ、へんだからぁあ…っ」
「変にしてんだよ」
「ひ、う、ぁあ、あ、っあ、っ!」

びくんっ。名前ちゃんの腰が大袈裟に跳ね、膣からはとぷとぷ蜜が溢れてきました。ねっとりとしていて粘度が高そうです。

「イキやがったか」

ボスは名前ちゃんの蜜を舐めると、そのまま名前ちゃんに大きく開脚をさせて腰を少し持ち上げます。自分の舐めやすいように固定すると、今度は膣口をちろちろ舐めるのです。

「や、あっ、な、なに…っ?」

初めての絶頂でまだ頭がくらくらしているのに敏感なところを舌でつつかれ、名前ちゃんは涙で前がよく見えませんでした。ぼんやりとした視界の中ではボスが名前ちゃんの入り口を丁寧に舐めるだけです。びらびらを左右に開くと、ひくつく入り口にボスは自分の唾液を注いでいきます。

「あう、あ、…っぼ、す」

既に十分に湿っている中を舌で掻き分けられ、そこに唾液を注がれるものですから、ぴちゃぴちゃくちゅくちゅ部屋には厭らしい水音が響きます。名前ちゃんはやだやだ首を降りますが体勢が安定しないので抵抗もできません。

「ぼす、っう」

急にボスは名前ちゃんの口に中指を突っ込みました。煩く抵抗しようとする口がやっと黙り、熱い舌をなぞるように指を動かすとねとつく唾液が絡まります。んん、んん、とまだ声を出す名前ちゃんですが、ボスはそれを無視しながら名前ちゃんにおしゃぶりをさせるのです。

「は、ぁう…っ」

ボスの指は太くて固くて名前ちゃんの指とは全然違います。口から引き抜かれたそれをうっとり見つめるとボスはその指を名前ちゃんの膣口へくっ付けました。

「力抜いてろ」
「なに、なにする、の」

ボスは答えないままに中指をゆっくり中に進ませます。すっかり熟れて熱くてどろどろの穴はボスを欲しがるように中へ招き入れ、処女のそれだとは思えない吸い付きでした。

「テメェ、中は触られてねえだろうな」
「やあっ、あ、ぇ…っ?」
「カス鮫にこの中触らせたのか聞いてんだ」
「は、やあぁっ、さわっ、や、さわってない、っあん!」

にしてはえろい穴だな、とボスは指を動かしながら思いました。キツくて指を痛いくらいに締め付ける力は成る程処女のようですが、その反面奥へ奥へと送るように吸い付いてくる力にボスは興奮していたのです。先程お口で散々おしゃぶりをさせましたが、この穴も劣らずおしゃぶり上手です。

「ぼす、ぼすだめっ、あ、なんかぁ…っだめ、だからぁっ、」
「何言ってやがる」
「わ、かんな、あたまあつい、あん、あぁ…っ、や、あ」

慣らすように指を抜き差しするとどろどろした蜜がどんどん溢れてきます。滑りが良すぎるくらいに濡れるそれは名前ちゃんが男をしっかりと感じている何よりの証拠なのでボスは少しだけ気分を良くしました。透明に糸引く指をずっぽり中に戻し、恥骨を撫でるように膀胱側へ指を曲げます。

「ひぃっ、ん!」

その瞬間、名前ちゃんは悲鳴に近い声を上げながら喉を反らしました。子供には強すぎる刺激だったでしょうか、はくはく開けられる口からはだらしなく唾液が垂れています。ボスはそれでも指を動かします。

「あっああっ、らめ、ぇ、ぼすぅ…っあん、こわれ、ちゃうぅっ」
「壊れるか」
「こわれる、のぉ、あ、あんっ、らめぇ…っあっゆびうごかさ、ないでぇえ…っ」

指を曲げる度に苦しそうに喘ぐ名前ちゃん。気持ちよすぎて頭が沸騰してしまいそうです。音も粘度を増してきて掻き混ぜるとぐっちぐっちと音が鳴りました。いやいや首を振る名前ちゃんはもう焦点が合っていません。

「ひゃあ、あ、らめなのにぃっ、あんっ、あ…っ、あ、」

名前ちゃんはボスの腕を力無く握ります。

「あっやぁっあ、あ、あ、らめ、ぁ、ぼす、こわ、い、あん」
「…」
「ぼす、ぼす、や、あ、あぁあ、らめ、あん、ぼすぅっ、あっ、ああ…っ!んあっ!」

中から溶かすような熱を感じるのが怖くて泣きじゃくる名前ちゃんが可愛くて仕方ありません。ボスは名前ちゃんの目元の涙を舌でなぞると、一層力強く指を曲げていきます。

「あっん、あ、ぼす、へんやらぁ、これ、らめになるぅ…っ!」
「いいからイけ」
「ああぁあ…っ、あ、あぁ…っ!」

びくっびくっ、と2回程名前ちゃんの体が大きく痙攣し、膣が締まりました。中を指で叩かれてイッてしまうなんて本当に処女とは思えません。指をゆっくり引き抜くと、白くてどろどろした液が一緒に流れ出ました。本気汁を出してしまうほど気持ち良かったのでしょう、まだ焦点が定まらない名前ちゃんは乱れた息を整えようと必死に酸素を求めています。

「おい」

ボスは指をシーツで拭きながら名前ちゃんに視線を遣ります。

「テメェは誰のもんだ」
「は、ぁえ…?」
「答えろ」

ボスの視線は真っ直ぐ名前ちゃんを射抜きます。急かすでも怒るでもなくただじっと見詰められ、名前ちゃんは回らない頭をこてんと傾げました。

「ぼ、ぼすの、もの…?」
「チッ」

自分で言わせておいてですが大変気分が良いです。照れ隠しにひとつ舌打ちをするとボスは名前ちゃんの髪を少々乱暴に撫でました。

「早く女になりやがれ、クソガキ」

このときの名前ちゃんはボスのこの言葉の意味が解りませんでした。
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