薄暗い中とは言え目が慣れてくればもううっすらと見えてしまう。熱いお湯で体温が上がった彼女の身体はほんのり色付いて妖艶だ。彼はにこりと優しく微笑み彼女の前髪を掻き分ける。

「名前、体洗おうぜ」




(( のぼせるくらい ))




二の腕にあるスポンジが徐々に脇に近付いてくる。ボディーソープをしっかり含んだそれはつるりと滑りが良く、体中に泡を広げていく。

「…、ん、」

脇をなぞられたとき、軽く身を捩る。擽りに強くない彼女はそんな痒みに堪えられない。そんな様子も構うことなく彼はそのまま脇腹にスポンジを下ろした。

「細えのな…」
「や、見ない、で…」

ごしごしと擦ってもらいながら目を逸らす。彼の惚れ惚れと漏らす一言にも過剰反応してしまい、見られていると意識してしまうと切なそうに存在を主張する胸の飾りが彼に触ってほしそうにつんと尖った。彼が素直にそこへスポンジを滑らせると、先程までの刺激と違ってぴりっと身体中に電流が流れたようにもどかしい快感に驚く。

「ん…っ」
「ここ、どうかしたのか?」
「ゃ、いじわる…ッ」

スポンジを擦り付けられる。尖ったそこへぬるぬると不確実な刺激を与えられて。

「ん、ん…、そこ、や…ぁ、」
「嘘は良くないぜ」
「たけちゃ、ん、ああ…っ!」

つんと泡を作られ、ふるりと内股が震える。それを見た彼は一瞬目を細めてからスポンジから手を離し、直接太ももへ手を滑らせた。

「え、や、…ッ」
「好い声だな」

何回か内股を往復された後、陰毛をくるりと指に絡ませられ激しい羞恥に襲われる。

「だめっ、だめだめぇ…っ」
「ちゃんと洗ってやるから」
「違っ、やだあぁ…ッ、」

ぐしゅぐしゅと泡立てられる。さらに中指でその奥もつるりとなぞられたが羞恥のせいで反応が遅れた。彼の腕に両手でしがみついて止めてもらうことしか考えられない状態だ。

「たけちゃ、ほんとに…、もう、っやだぁ…」

ふるふると声が揺れる。それにクスリと笑い肩を竦める彼はどこが残念そうだった。

「今日はいじめすぎたな」
「そ、だよ…っばかぁ…」

薄暗くて見えにくいがきっと彼女の目には涙が溜まっていると気付き、瞼に優しくキスを落とす。それから蛇口を捻りシャワーで泡を落としていく。手に当ててお湯加減を調整してから彼女の太ももへ流す。

「熱いか?」
「ん、ちょうどいい」

にこ、と笑うとそのままシャワーを秘部へ当てられ、そんな笑顔も一瞬で消えた。びくっと身体を跳ねさせて再び彼の腕にしがみついた。

「あ、あ…、ゃ、ッだめ、んっ」
「そう?」

きゅ、とお湯を絞られる。ピンポイントで芽に刺激が走り。

「ッああぁっ、やぅ…ッ、はぁっんん…っ!」

びくびくと背を反らす。嫌々と首を横に振っても彼は笑顔でシャワーを押し当てるだけで許してくれない。

「やぁッ、ほん…、とに、たけちゃぁぁっ、ひぃ…ッ」
「嫌って言うより、俺には好さそうに見えるけど」
「や、だめぇ…っ」

ぎりりと爪を立てても離してくれない。泡なんかとっくに落ちているのにぐいぐいとお湯を当てられ、その水圧も熱さもちょうどよく気持ちいい。

「も、なんか、や…っ、ああぁあ――…ッ!!」

ふる、と身体を震わせて声が響いた。くったりした彼女を見てお湯を止める彼は完全に愉しんでいる顔で。

「せっかく風呂場なんだかもっと声出せばいいのにな」
「…ばかぁ…、は、っはぁ…ッ」

とろんと彼を見上げるとひょいと腰を持たれて彼の膝の上へ降ろされる。頭の追い付かない彼女は不思議そうに首を傾げる程度しかできないのだが。

「な、に…?」
「俺も洗ってもらおうと思って」
「へ、」
「勿論名前で」

理解しがたい言葉だったが彼のモノが存在を主張していたのに気付き、やっと意味を飲み込めた。

「…ばか、ほんとに…」
「期待してたのは名前だろ」
「ふ…、違う、し…っ」

じろっと彼を睨む。本当に最初はそんな気はなかったのだ。本当に最初の話だが。
彼女は半ば呆れたように彼の首へ腕を絡め、ゆっくり腰を下ろした。


END
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主から一緒にお風呂入ろうって言ったらきっと思春期の山本くんは飛びついてきてくれて期待以上のテクで主を追い詰めてくれるだろうなあ、というどうでもいい妄想を文にしようと思ったらほとんど無意味にヤッてるだけになりました。たまには裏オンリーも許してください(笑)
名前様、お付き合いありがとうございました。
20120124
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