プロシュート

ぬるりと唇を割る肉厚な舌がわたしの口内をねっとりと這う。粘膜を舐められ、舌先を遊ばれて。しゃぶるように吸い付かれる度にくちゅくちゅと厭らしい水音が口の中に籠った。彼とわたしの唾液が混ざり合い、独特の苦味と鼻から抜けるにおいに眉を顰める。わたしには理解できない煙草の味。胸板を押して唇を離すと、彼の唇はわたしの唾液で濡れていた。
「これ、嫌いなんだってば…」
同じく濡れた自分の唇を拭うと、彼は態とらしい溜め息を一つ吐いて見せる。
「マンモーナには解らねぇか、この味は」
「っ、ん…!」
教え込むように再び唇を強引に割られ、たっぷりと唾液を絡ませて舌を擦り合わされた。ぬるり、ぬるり、重なる舌の独特な感触。たまらないほど気持ちいいのに慣れない苦味がわたしの眉間に皺を刻ませるのだ。その様子を薄目で眺める彼は鼻で笑い、腰から腹へつつぅと大きな掌を這わせる。事ある毎にわたしのことを子供扱いをするくせに、彼の手は服の中に入り込んでいった。
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