ミスタ

喘ぎを殺せないわたしの手に彼は自分のそれを重ねた。シーツを破きそうなほどに悶え乱れる私を見下ろし、小さく笑う。
「後ろからだとよォ、顔は見えねェが解るぜ。悦すぎてたまんねェって」
無遠慮な挿入に大きく腰が反り、酸素を求めて舌を突き出した。表情が見えていない分、いつもより強引だ。どうにか快感を逃がそうと暴れる私を封じるように上から体重を掛け、耳朶に舌を這わす。
「あっ、あぁ…っ、ミスタ…ッ」
「そんなに強請るなよ、千切れちまう…、」
頭が沸騰しそうだ。彼はわたしの腰を掴み、いよいよラストスパートでもかけるように腰を振りたくった。腹の奥で爆ぜる熱が、上から伝う彼の汗が、欲望に任せた腰遣いが、耳許で漏れる切なげな甘い吐息が、わたしをより興奮させる。爪先を丸めて刺激に耐えると、彼は気持ち良さそうに小さく喘ぎ、腰を震わせた。いつもなら眉を寄せる彼を見上げるのに、今日は表情が解らない。寂しくて彼を振り替えると、彼もまたわたしに甘えるようにキスを降らせた。
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