ジョルノ

「好きです」
真っ直ぐに見詰められると焼けそうになる。いつもそうだ。やめてくれと頼んだってこの少年は同じように私へ愛を紡ぐ。
「無駄なことは嫌いなのでは? 何度も言うなんて貴方らしくないわ」
「確かに可笑しな話だ、嫌いなのに好きだなんて。貴女への感情は繰り返したくなるんですよ」
いつもの彼に矛盾が生じる。目を逸らした私の手を掬い、そちらに視線を戻すように少々強引に指先を絡め取られた。彼はきっと解っているのだ、繰り返すことによって私の心が揺さぶられていることを。彼をもう少年として見ていないということを。
「…手を離して…」
絞り出した声はいつもより少し高い。それを聞いた彼はくすりと口許を緩めた。
「それじゃあ代わりに、もう一度言わせてください」
彼は少年ではなく、立派な男性として私を捉える。色気を含んだ睫毛が伏せられ、心臓の音で聞き取りにくい。
「愛しているんです、貴女を」
嗚呼、少年に口説かれても無駄だと思っていたのに。
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