ベルフェゴール

内腿に爪を立て、ゆっくり這うようにそれでなぞられる。もどかしい刺激に息を漏らしても、彼はさっきから何も言わない。前髪の下でわたしを観察しているはずなのに、自分は余裕な顔をしてわたしを一方的に弄ぶ。
「ベル……ッ、ねえ、意地悪しないでよ…、」
早く、もっと確実な刺激が欲しい。彼は何も答えないけれど、するすると指が脚の付け根に滑っていき、真っ赤に熟れたそこの周りをくるりくるりと撫で回す。
「あ、ん……っ、ベル……」
「ししっ、やらしー女。そんなに触ってほしいのかよ。自分でスれば?」
「いやぁ…、ベルが、いいから…っ」
「王子の手じゃなきゃ満足できねーの? 贅沢」
皮の上からキュッと摘ままれる。欲しかった刺激が突然訪れ、びくんと大袈裟に背中が反った。ナイフを操る器用な指先で小刻みに遊ばれ、自分から強請ったものの快感が強すぎる。
「あっ、いやあ……っ」
思わず伸ばした手が彼の手を叩いた。ハッとして彼を見ると、にやりと怒りを纏った笑い顔。慌てて手を引っ込めると、彼はわたしの太腿を持ち上げた。
「生意気」
「えっ!? まっ、てぇ……っ」
その間に顔を埋め、ぢゅううぅ、と下品な音を立てながら吸い上げられる。舌で皮を持ち上げ、剥き出しのそこをべろべろ舐め回し、また吸い上げた。指よりもずっと柔らかくて温かい。舌先で先端を小刻みに、次は少し固くして根本から押し上げるように舐められる。彼の機嫌を損ねると泣きじゃくるまでやめてもらえない。
「ベル…ッ、あ、ああぅ…」
「まだ足りねー? ししっ、えろ」
どろどろと欲が産み出される膣へ指が挿れられる。無遠慮に奥まで一気に突き立てられ、彼の焦らしによって敏感にされた身体には大きすぎる快感だ。腰を持ち上げて快楽を逃がそうとすると、上から体重を掛けられる。
「逃げんなって。まだ俺の挿れてもねーじゃん」
「あう、あ、はあぁ…っ」
指をもう一本増やされる。舌で責め立てられながらぐちゅぐちゅと内壁を擦られ、内腿は少しずつ痙攣を始めた。お腹に力が入ればいつでも絶頂に達してしまいそうだ。彼はその様子をじっと眺め、自身のベルトを外す。顔を上げた彼の前髪は、少し濡れていた。
「べるぅ……、」
「ししっ、かんわい。俺の挿れたらお前トぶかもな」
「は、はやくぅ……」
「嫌がるくせに」
気持ちよさでふわふわする頭では彼が何を言っているのかもう解らなかった。ぐっ、と膣口が大きく開き、彼の熱が肉壁を割り裂いてくる。
「あ、あああぁあ……っ!!!!」
過度な快楽に彼の胸板を押し返せば「ほらな」と彼は嗤った。彼を欲してきゅうきゅう締め付けるそこに欲を擦り付け、彼は気持ち良さそうに舌舐めずり。息が荒くなり、わたしの頭はどんどん白くなる。
「トぶなって、言ってんだけど…、王子の言うことがきけねーの…、」
ぐ、ぐ、腰を押し付けながら彼はわたしの頬を優しく叩いた。意識が飛びそうな間際。彼の汗がわたしに落ちる。
「あ、あ、あう、べるうぅ……」
「そうそう…、ししっ、かわいい…」
必死に彼にせがむと、わたしを優しく抱き締めてくれた。身体が熱い。重なった肌が湿っていて心地好く、わたしは彼のにおいに包まれながら、やはり意識を手放した。
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