ジョルノ

「あの人は創れないの…っ?」
不可能を頭で理解はしても、受け入れることは難しい。泣きながら必死に彼に縋ると、「…すみません」と呟かれた。当然だ。押し殺せない嗚咽と止めどなく溢れる涙を、大きな掌で宥めるように彼は私の髪を撫でる。優しく、何度も往復して。あの人もよくこうして私の髪を撫でてくれたのだ。同じ動作に彼を重ね、あの人の優しさを思い出し、彼の胸に顔を埋めて大声で泣いた。匂いも、体温も、あの人と違う。理解はしているのだ。それでも私はあの人を追ってしまう。
「ねえジョルノ…ッ、あの人の代わりなんて、いないのよ…」
「…そうですよね」
穏やかな声だ。苦しそうに眉を歪めながら親指で目尻を撫でる。私の涙を拭う仕草さえ、どこかあの人に似ていた。あの人の代わりはいないのに、私は代わりを探しているのだ。
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