ジョルノ

アルコールに溶けていく氷を眺めながら、また一口。グラスに反射する照明の光は確かに綺麗なのだが、隣の彼と比べてしまうと少し劣る。彼は頬杖をついて私がアルコールで口を濡らす様をじっと見詰めていた。まだ幼さが残る顔はしているが、その熱の孕んだ視線は子供のものではない。
「これが飲みたいの? 貴方にはまだ美味しくないかもよ」
男の欲が滲む視線。どんなに口説かれても彼はまだ子供なのだ。私を性の対象に入れられては堪らないので、からかうようにグラスを揺らして見せた。
「冗談、」
彼は私の手からグラスを抜き取り、躊躇いなく煽る。喉仏が動く妖艶な様子は成る程子供には見えないのだが、この子供はどうしても私を口説き落としたいらしい。
「酒の味くらい解りますよ」
未成年に体を開くなんて、罪な味。アルコールに酔わされた唇をとんと指で押されれば、ついそれに応えたくなる。この子供はとうに女を知っているようだが、その罪に私も乗っかっていいのだろうか。するりと太股をなぞられると考えるのが馬鹿らしく思えてきて、グラスの残りを全て煽った。これで思考はここで終わり。
「ホテルまでエスコートしてくださるのかしら?」
「えぇ、勿論」
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