ジョルノ

ぼやけていた彼の顔が、徐々にはっきりと見えるようになった。漸く開かれた瞳と視線がぶつかっても何が起きたのか理解できない。彼は僅かに口角を上げながらわたしの頬を撫でる。
「初めてでした? こういうときは目を瞑るんです」
年下に、それもこんな年端もいかない子供にそんなアドバイスを貰うなんて。彼は指の背で私の顎を擽り、その長すぎる睫毛が私の鼻先へぶつかりそうなほど近くに顔を寄せる。
「……解らない人だな、今言ったばかりじゃあないですか。こういうときは目を瞑るんですよ」
二度同じ事を言うのは無駄だといつも不機嫌になる彼が、今日はやけにご機嫌のままだ。私に言い聞かせるよう、ゆっくりと、同じ言葉を繰り返す。そのまま再び唇が重なるが、その言葉の意味を理解できなかった私は、また目を瞑れなかった。それでも彼は御構い無しに、今度は私の唇を官能的に舐め上げた。
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