ミスタ
「女ってのはよォ、どうして嫌がるフリをするんだろうなァ」
必死に腕を伸ばして彼の胸板を押すが、直ぐに指を絡め取られてシーツに縫い付けられた。全身から汗が噴き出し、腰も内腿も痙攣している。汗と涙と蜜で濡らされたシーツを背面に感じながら彼の愛撫から逃れようと腰を捩らずにはいられなかった。これは演技でも何でもなく、本気の拒絶をしているというのに。尚も奥を叩かれて何度目かの絶頂に喉を大きく反らす。
「ほら、好いんだろ」
にやにやと得意気の彼が、何とも腹立たしい。反論をしようと睨みを利かせれば、それを許さないとばかりに腰が遣われた。わたしの好いところを目掛けて小刻みに揺さぶられるとどうしても情けない嬌声を上げながら雄に媚びるように膣内を締め付けてしまう。欲を放たれることを待ちわびるような攣縮に彼は小さく笑ってわたしの額にキスを落とした。
「はは…、っ、おしゃぶり上手だよなァ、」
ベッドの中で軽口を叩くときは決まって余裕のないときだ。その証拠に、彼は眉を寄せながらわたしに腰を押し付け、背を丸めて震わせた。
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