ミスタ

彼の荒々しい息遣いに嫌な予感がした。普段はたっぷり時間を掛けて愛してくれる彼が、今日はどういう訳か全く余裕がない。体を重ねるときは決まって甘えるように絡めてくる指だって、今日は乱暴に私の腰を掴んでいる。内壁に欲を擦り付けて快楽を貪る為だけに腰を遣う彼を落ち着かせようと胸板を押したところで、その熱に抗えるわけがない。
「ぃや…っ、あっ、あぁっ、ミスタ、っ!」
「善さそうな顔して嫌なんて、嘘はいけねえなァ?」
「ち、が…っ」
「それともこの程度じゃあお気に召さないってか?」
返事をする前に奥まで貫かれ、上から体重を掛けられる。腰がびくびくと痙攣し、独りでに喉が反ってしまうが、それに噛み付くようにキスをしながら彼は止めようとはしなかった。
「善がるオメーを見てるといくらでもできそうだぜ…、」
彼は絶頂時の攣縮が心地好いとばかりに眉を寄せる。あぁ、一緒に溺れそうだ。
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