ミスタ

通りすがりに私の尻を鷲掴み、感触を一通り楽しんで去っていく彼を睨み付ける。私をamoreと呼び、宝物に触れるように優しく抱いて愛を囁いていた晩が遠い過去のようだ。俺の女神様、ずっとお傍に、と手の甲にキスを落としたような王子気取りの彼は、あのときのとびきり甘い声からは想像もできないような下品な笑い声で私の睨みから逃げていく。普段とのギャップがありすぎてたまにうんざりするが、ベッド上でのあの甘い時間だからこそ酔わされてしまうものもあるのだろう。あぁ、それにしても、どうして彼に捕まってしまったのだろう。彼は軽口を叩きながら、また私にセクハラを仕掛けるのだ。
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